ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

形 forme 320号

『自分を彫る』教科等の連携 進路指導とからめ、年末の面接シート(神奈川県の公立高校受験出願時に提出)を書き始める前の中学3年生に、「自分を彫る」という石彫で抽象彫刻を彫る授業を実施。 導入時にパワーポイントやプリントを使用し、抽象彫刻についての理解を深めます。また、最終的には抽象彫刻における学びを面接シートに役立てることにも触れることで、生徒が活動の見通しをもてるようにしつつ、生徒の意識を高めていきます。 作品が完成したあとの鑑賞の時間には、担任の先生をお誘いし、発表の様子を見てもらうとともに、毎時間の生徒とのやりとりが分かる「記録カード」を面接シートの記入開始前に共有し、進路指導に生かしてもらえるよう工夫しています。 授業の後には生徒たちにアンケートを実施し、連携の効果を確認しました。[記録カード] 自分自身への理解が深まっていく過程がよく分かる![導入シート] [面接シート(見本)] 高校受験を控えた三年生の実態に寄り添った活動ができ、そこで感じ取ったことや考えたことなどをもとに主題を生み出す、といったことを十分に生かすことができたと感じています。 生徒の考えを記載した記録カードのやりとりにより、中学生活における自分の成長を振り返られている様子や、題材に対する考え方が深まっていく過取り組んでみてどうだった?程などがより分かりやすく伝わってきました。 また、生徒たちのアンケート結果からは、改めて自分自身を見つめ直し、面接シートへ反映できたという声も聞かれ、担任の先生からは「面接シートを書く前にこのような取り組みをしてもらえて、生徒たちが自分について考えるきっかけになりました」との言葉をいただき連携の手応えを実感しています。自分自身や成長を見つめ直すきっかけに美術科 長谷川 聡先生横浜市立旭中学校生徒の声自分自身について考えたり、他の人に聞くなんてめったにしないし、やろうとしても恥ずかしくてできないので、美術の授業の中でやってもらって、自分自身についてよく考えられた。初めは正直、自分を深く知ったり、見つめ直すのが嫌いだったが、美術で授業と結び付けて考えてみて、楽に自分を見つめ直せた。友達に自分のよい点を言ってもらうことで、自信にもつながり、面接シートにも自信をもって書くことができた。友達に、喜怒哀楽が激しいって言われなかったら、多分この形にはなっていないと思う。「自分って何だろう」と考えるきっかけになったし、生きている意味や将来のことなども考えるきっかけになった。教科等のつながりを生かした授業デザインが、学ぶことに対する子どもたちの自覚を高め、深い学びを引き出していきます。美術科 × 進路指導(特別活動)×forme No.320 ⑫ ワークシートが▼web より ご覧いただけます。