ブックタイトルICT-Education_No.51
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ICT-Education_No.51
きょうそう「クラス協創」活動におけるコミュニケーション&コラボレーション力の育成─文化祭での学校紹介作品をクラスごとにデザインする─茨城県立石岡第二高等学校山下優子yamasita.yuuko@post.ibk.ed.jp1.はじめに「最近の生徒達はやる気や意欲が見られない,他人と積極的に関わろうとしない」という声をよく耳にする。他人からどう見られるかを気にして失敗を恐れ,失敗するくらいなら最初から何もしない方がいいと考えている様子が窺える。教室では仲のよい友達どうしとは話をするものの,それ以外のクラスメイトとは積極的に関わろうとする様子は見られない。なかには一人の方が気楽でいいという生徒も少なくない。友達と関わらなくて寂しくないのかと問えば,「ゲームがあるからいい」「チャット(LINEなど)でやり取りできるし…」といった答えが返ってくる。携帯ゲームやスマホといったモバイルツールの流行が,さらに「擬似ひきこもり状態」を後押ししているように思えてならない。生徒達はいずれ学校を卒業して社会に巣立っていく。そのときにこのようなコミュニケーション方法しか知らないのでは,たとえ就職できたとしても苦労することが目に見えている。他者と積極的に関わっていける社会性を身につけるために,授業でできることはないか試行錯誤を重ねたのが本実践である。2.授業の目標本実践は,「他者とコミュニケーション&コラボレーションする力の育成」が目標である。そこで題材は「文化祭のために学校紹介作品をデザインしよう!」とした。工夫した点は,「クラス協創(きょうそう,競争ではない)」を意識した点である。最近は多くの企業で「共創」という言葉が使われ始め,教育評論家の尾木直樹さんの著書にも『競争より「共創」の教育改革を』(学陽書房,2003)があるが,他者と“協調・協力”してほしいという意図を込めて「協創」というテーマにした。文化祭という学校行事の機会を利用して,あえてクラスごとにに取り入れた。他者と上手に協力していかないとよい作品は作れない。こうすることで,必然的に,他者とコミュニケーション&コラボレーションしなくてはならない状況を教員側が意図的に作り出すのである。3.授業の計画1年生の情報の授業(2単位)のなかで実践した。全4クラスのうち,以下の作品を作ることが決定した。<クラスごとの作品>1「学校紹介ポスター(静止画)」2「学校紹介ホームページ」3「学校紹介クイズ(スライド)」4「学校紹介ムービー(動画)」<授業計画>●【準備】(1時間)1クラス全員にプリントを配布し,紹介したい学校のネタを思いつ違った媒体での作品作りをさせた。く限りたくさん挙げてもらう。クラスのなかだけでよい作品を競●【グループでの企画】(1時間)い合うのではなく,どのクラスが22~6人のグループを組む。一番効果的に学校を紹介できるか,3どのような作品を制作するか,ほかのクラスの存在を意識させるグループ内で話し合う。ことで,クラスとしての団結力・4プランニングシート(完成作仲間どうしの連帯感も高めること案)を作成する。ができる。●【グループ作品制作】(4時間)また,「グループ実習」を積極的5グループ全員が必ず何らかの役8