ブックタイトルICT-Education_No.51
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ICT-Education_No.51
以下は生徒のコメントから抜粋したものである(図6)。○作品制作について・画像から画像への切り替え効果が不自然にならないように工夫した。・観客に趣旨が伝わるように工夫した。・Windowsムービーメーカーでは一つの音しか入れられないため,複数の音を別のソフトで合成しないといけなくて苦労した。・作品作りではグループの意見が合わず,なかなか苦労した。○役割分担について・作る役割は友達だが,撮影や写真提供をすることで協力できた。・写真の並び順を考えたり,背景に入れる文字を考えたりした。・映像に合う音楽を探した。・画像の編集をした。・イラストを手書きしてスキャナを使ってPCに読み込んだ。・PCは苦手だが,友達が作ってくれた。自分は画像を選んだり,わからないなりに頑張った。・友達がちゃんとやらなくても,自分だけでもしっかり作業していればよかったと後悔した。・一人一人が協力してできたのが何より嬉しかった。○使用したソフト・SofTalk・音声合成ソフト・イラストスタジオ○他者の作品を見て・写真を流すときはコメントをつけるとわかりやすい。・音楽をつけた方がよい。・うまく見せるための映像効果をいっぱい知ることができた。▲図6生徒のコメント(抜粋)5.成績評価について本実践のテーマは「他者とコミュニケーション&コラボレーションする力の育成」である。作品作りはあくまでもこの目標達成のための手段にすぎない。もちろん作品の完成度や表現の工夫等は評価に含めるが,最も重視したものは「グループ内でどれだけ仲間とコミュニケーション&コラボレーションできたか」という点である。学習指導要領を踏まえた評「生きる力」であるといえる。本価の4観点では,「関心・意欲・態授業を通じ,生徒達が社会に出て度」「思考・判断・表現」に重きを他者と協調しながら「生きる力」置いた。をきちんと育成できたなら,情報生徒の自己評価では,特に「学科教員としてこれほど嬉しいこと校紹介ムービー」を作成したクラはない。スで「作品制作は頑張ったけど,生徒達を授業に生き生きと向か仲間と上手に役割分担できずに一わせるために大事なことは,「達成部の人達だけで動いてしまった」感」と「成功体験」であると実感という意見がやや多く見られた。した。心理学では,最も生産性がこのため,PCの操作が苦手な生高く持続力も長いのは内発的動機徒でも,例えばプランニングシーづけ,つまり「自己決定感」とト作成の書記を務めたり,写真を「自己効力感」を味わうことだと撮影したり素材を集めるなど,自される。苦労したけど頑張って完分のできることを探してグループ成させることができたと思えるに貢献する方法もあると示唆した。「達成感」。そして学校関係者は成績は,「グループ内の貢献度」もちろん,文化祭に来た来場者に,を「教員側で観察した評価」に作品を見て褒めてもらえるという「自己評価」および「グループ内「成功体験」。この二つの報酬がでの相互評価」を加味してつけた。あるからこそ,最初は面倒くさ6.成果と今後の課題がっていた生徒達も,自発的に作品作りに取り組むようになる様子生徒達のコメントを見ていると,がわかった。慣れないグループ活動で四苦八苦生徒の振り返りコメントでは役している様子が伝わってくる。な割分担についての記述が多く見らかには口論になってしまったグれたため,「クラス協創」活動を通ループもあったようだ。しかし,じて,他者と“協調・協力”する話し合いや妥協案を提示するなど力が上達したと思われる。他者と試行錯誤しながら,なんとか解決コミュニケーション&コラボレーの糸口を見つけ出して成長していションする力の育成においては,く過程が見られ,大変嬉しく思っ今後の可能性として,ほかにもいた。さまざまな価値観を持った人ろいろな方法が考えられる。これ間がいるなかで,他者と上手にコからもさまざまな方法に挑戦し,ミュニケーション&コラボレー生徒にとって効果的な学びを追究ションを図っていくのは,難しいしていきたい。ことである。だが,社会人として大切な能力の一つであり,まさに11