ブックタイトルICT-Education_No.51

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概要

ICT-Education_No.51

PenFlowchartを使ってみませんか?今回のとっておきIdeaPenFlowchart名古屋高等学校中西渉watayan@meigaku.ac.jp1.開発動機アルゴリズムの学習では,プログラムを実際に作ってみる活動が欠かせない。作って実行してうまくいくかどうかを確認することで,生徒自身が答え合わせだけでなく発展的な課題にも自主的・主体的に取り組むことができる。しかしプログラミング言語を用いる以上,ささいな書き間違いのためにエラーが起きることは避けられない。そのことが生徒のやる気を損ねてしまうのがとても残念である。筆者は勤務校で2006年度からPENを使ってプログラミングの学習をしてきた。PENは大阪学院大学情報学部の西田知博研究室,大阪市立大学大学院創造都市研究科の松浦敏雄研究室の共同プロジェクトとして開発されている,初学者向けプログラミング学習環境である。用いられる言語は大学入試センター試験「情報関係基礎」のDNCLを拡張したxDNCLであり,日本語がベースになっているのでとっつきやすい一方,生徒が日本語としての正しさとプログラミング言語としての正しさを混同することがよくあるのだ。PENでは「入力支援ボタン」があり,これを使うと各構文のひな型がプログラムに挿入される。例えば,というプログラムはボタン3回と「a=0」「ゼロ」のキー入力だけでできる。しかし,何人かの生徒はこれをわざわざ,もしもa=0ならば「ゼロ」を表示すると修正してしまうのだ。確かに日本語としては後者の方が正しいのだから,どうして前者でないといけないかという説明は難しい。例えば,本多勝一の『日本語の作文技術』(朝日新聞出版,1982)にある悪文の例「私は小林が中村が鈴木が死んだ現場にいたと証言したのかと思った」は,私は|小林が||中村が|||鈴木が死んだ現場||にいた|と証言したのかと思ったと書けばわかりやすくなると筆者は考える。しかし,このようなブロック表記に生徒は慣れていないし,我々がこれを自然だと思うのは既にプログラミング言語の経験があるからだろう。汎用的なアルゴリズムについて学習したいのに,言語特有の事情でつまずいてしまうのは不本意である。そこで,フローチャートでプログラムを作れるような環境を作ればその点を回避できるのではないかと考えて,PenFlowchartを開発した。もしもa=0ならば|「ゼロ」を表示するを実行する28