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概要

ICT・EDUCATION 2018特別号

 この日の授業は、「ICTで社会問題を解決するアイディアをプレゼンしよう」という問題解決の単元。教科書で取り上げられている事例も参考にしながら、チームごとにテーマを決めてプレゼン用のスライドを作成し、発表を行う。本番前の「発表練習」の時間では、2チームずつの班に分かれ、各班の中で発表を行い、相互評価を行う。コミュニケーションをよりよくするためにあるのだ、ということを強く言っています」 また、前期の情報モラルの授業では生徒にとって身近なSNSを題材として取り上げたほか、グラフを作成する際にも架空ではない生きたデータを活用。このように、できるだけ日常の延長線上に授業を置くことで、単なる机上の学習にとどまらない、よりリアルでスムーズな理解を促している。そして、指摘された箇所について改善し、本番の発表に臨む。こうすることで発表の回数を増やすことができ、さらに第三者からのフィードバックはプレゼンのクオリティアップにつなげることができる。また、相互評価では生徒自身にルーブリックを活用させ、共通の基準に則った公正な評価ができるようにしている。 授業中の井本先生の説明や指示は端的である。生徒の活動時間をできる限り確保するとともに時間配分に細心の注意を払い、中身の濃いアクティブラーニングを実現している。 「50分の授業の中で、誰かと話し合ったり、自分の意見を発信したりする場面を各自が必ず持てるよう意識しています。でも、相手にわかる言葉で伝えるのが苦手な子が多いな、というのが正直なところです。また、相互評価での指摘がまだまだ甘い、というのも課題ですね。そうした改善点を見つける目を養うことの必要性を、この14発表練習は複数の班で同時に行い、発表活動の機会を増やすことを重視。場数を踏ませることで発表の力をつけさせる。情報モラルの授業ではSNSを題材にするなど、できるだけ具体的で身近なテーマを設定し、生徒の関心・意欲を引き出す。教室の前・後ろという概念を取り払い、机をランダムに配置することで、グループで議論しやすい学習環境を作っている。各作業の所要時間は随時、中間モニターに表示されている。生徒はそれに従って時間配分を考えながら、作業を行う。