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概要

ICT・EDUCATION 2018特別号

ループで行う問題解決」。〝クラスが抱える情報モラルを高める?というメインテーマのもとに、自分たちのクラスが抱える情報モラルに関する問題を見つけ、きちんとした仮説を立てたうえでアンケートを設計・実施。そこから得られた情報を集計分析し、それを根拠として、問題の解決策を提案する、という全8時間のプロジェクト型学習である。 生徒たちは男女混合の4人1組的に学べる学習法の重要性にいち早く気づき、情報科の授業が始まった2003年からすでに〝考えさせる授業?を実践してきた。「これからの社会では、自ら問題を見つけ、それを解決していく力が絶対に必要。コンピュータを使える人間にならなければいけないし、マニュアル通りに正確にやる力も必要だけど、さらにその上でマニュアルそのものを作れるような人になってほしいと思っています」 そんな小原先生が、1年間の総まとめとして位置づけた授業が「グ 「自主・自律」を教育理念に掲げる町田高等学校は都立の進学校である。同校で「情報の科学」の指導にあたっているのが、小原格先生だ。「生徒たちに求める理想像は〝社会のリーダー?であり、自分で物事を判断し、行動できる人間になってほしい。そのためには、思考力、判断力、表現力を養えるような授業をすることが必要だと考えています」 教育現場でアクティブ・ラーニングの重要性が叫ばれるようになったのは、ここ4、5年のこと。しかし、小原先生はそうした能動のグループに分かれ、意見を出し合いながらテーマを決め、その原因や解決方法を分析していく。その際、生徒たちに書かせていたのが「IE図」というもの。これは小原先生が考案した問題解決に特化した一種のシンキングツールである。問題とは、理想と現実のギャップであり、理想を実現するためには、現実を具体的に把握する必要がある。I E 図では5W1Hの「Why」を残りの4W1Hを使って展開し、現実と理想を具体化することができる。リーダーは責任は重いが、一番評価される。これは社会に出ても同じこと。リーダーに対する特別な評価軸の存在を伝えることで、グループ全体の活動にもよい緊張感を与える。句点からから句点までと細かく生徒たちが分担して教科書を音読。マイクを持つことで緊張感を高め、集中力を持続させ、しっかりと内容を把握させる狙いがある。21  L e s s o n r e p o r t