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概要

ICT-Education_No.52

さまざまなタイプのアクティブラーニング─生徒を主体的に動かすしかけを意識した授業デザインの実践─東京都立葛飾総合高等学校須藤祥代Sachiyo_Sudou@education.metro.tokyo.jp1.はじめに本校は2007年に開校した総合学科高校である。1学年6学級あり,系列が六つに分かれ,多種多様な選択科目がある。「キャリアコア」というキャリア教育を行う授業が各年次に設けられている。私は1年次の必履修科目「社会と情報」と,おもに情報メディア系列の授業を担当している。この系列には専門教科「情報」の科目と学校設定科目が組み込まれている。情報科では,学習プロセスの中でプレゼンテーションスキルやコミュニケーションスキルの向上も目指している。そのため,レポートや論文の作成,プレゼンテーションを行う機会も多い。アクティブラーニングの授業形態は「キャリアコア」や情報科のみならず,国語や英語,保健体育など,さまざまな教科で取り入れている。2.アクティブラーニング(1)アクティブラーニングとはアクティブラーニングとは「能動的な学習」のことである。授業者が一方的に学習者に知識伝達をする講義スタイルではなく,課題研究やPBL(Project/Problem Based Learning),ディスカッション,プレゼンテーションなど,学習者が能動的に学ぶスタイルの授業を総称する用語である。図1はアメリカ国立訓練研究所(NationalTraining Laboratories)が発表した「学びのピラミッド(Learning Pyramid)」である。従来の学習法は伝統的学習法(Traditional Passive)に該当し,アクティブラーニングは下のチーム学習(Teaming Active)に相当する。▲図1ラーニングピラミッド図1から,アクティブラーニングは平均学習定着率が高いといわれる学習方法なのである。(2)アクティブラーニングの分類アクティブラーニングは「一般的なアクティブラーニング」と「高次のアクティブラーニング」に分類することができる。一般的なアクティブラーニングは知識の定着・確認を目的とするもので,実験やドリル,小テスト等を行う授業が該当する。一方,高次のアクティブラーニングは専門知識を活用し課題解決を目的とするものである。解が一つでない問題に取り組むPBLやモノづくりの創成型授業などが該当する。高次のアクティブラーニングは「深い学び」を生起させやすい。▲図2アクティブラーニングの分類10