ブックタイトルICT-Education_No.52
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ICT-Education_No.52
▲図6「授業」本番の様子最後の第7回目で土曜講座を振り返り,感想などを共有した。4.結果「授業」に参加した中学生(40人)にアンケートをとると,実に92.5%の生徒が内容を理解できたと答えたことから,生徒たちは中学生にとってわかりやすい,とても素晴らしい「授業」を実施できたと考えている。また「カメラやスマートフォンで写真を撮ったら,位置情報が記録されることがわかった」,「授業の内容を友だちや親に教えたい」という中学生の感想もあった。5.考察本校では,中学1年生から中学3年生(1学年は約160名)までの間,外部の講師を招いて情報モラルの講座を毎年1回実施している。中学1年生は「インターネットは世界につながっている」ことを理解させる講座,中学2年生は「著作権について」の講座,そして,中学3年生は「インターネットの功罪とトラブルの対処方法」に関する講座を実施している。しかし,情報モラルのことを理解できていない生徒や,後にトラブルに巻き込まれて生徒指導の対象になる生徒もいる。今回参加した中学生も,年1回の情報モラル講座を受けていた生徒たちであった。外部の講師による情報モラル講座の内容と高校生が実施した授業の内容はほとんど同じものであったが,高校生の授業の方が理解しやすかったという中学生の感想が多かった。やはり,年齢が近い方が親しみを感じて理解しやすかったのだと思う。内閣府の調※注2査によれば,スマートフォンの普及率は小学生で7.6%,中学生で25.3%,高校生で55.9%となっている。この調査結果から推測すると,小学生より高校生の方がスマートフォンの使い方を熟知しているといえるだろう。そんな高校生が,小・中学生に情報モラルの授業を実施すると,大人が授業をするより小・中学生の理解度が高いことがわかった。また,高校生も教える側として真剣に勉強するので,高校生のネットリテラシーが上がるという相乗的な効果もあることがわかった。6.今後の課題今回は,広告業界,ネット事業者から多くの講師をよび,恵まれた環境で授業を実施することができた。しかし,今回の素晴らしい環境を多くの学校で実施することは難しいと思う。そこで,多くの学校で今回のような授業が実施できるような「授業のパッケージ化」を考えていきたい。最後になりましたが,彼女たちの「授業」のためにご協力いただいた多くの方々に感謝いたします。▲図7土曜講座の講師・受講生と※注2:内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」(http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h24/net-jittai/pdfindex.html)参照。17