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概要

ICT-Education_No.52

一つは,他のカードと組み合わせることで位置を大まかに把握することができるカードである。例えば,「2.AさんはFさんとHさんの間です」「9.CさんはEさんとFさんの間です」のように,このカードだけでは位置を特定することは難しいが,大まかな位置を把握し,他のカードと組み合わせたときの判断材料として使えるようになっている。次に,特定の位置を示すカードである。例えば,「1.Aさんは前から4番目です」「10.GさんはCさんの4つ後ろです」のように,具体的に数字で位置が示されている。このカードは,まったく手がかりがない状態の最初の段階で,とっかかりとなるカードである。具体的な位置を示しているため,難易度の調整にも使える。例えば,1番のカードを抜くと,難易度が格段に上がる。このように,生徒の実態に応じて難易度の調整をすることもできるカードである。最後に,意味をもたないカードである。例えば,「11.Dさんの身長は125cmです」「13.Fさんの身長は119cmです」のように,多くのカードが位置を示している中で,この種類のカードは身長をあらわしている。情報を集めていくと,必要な情報はそれぞれの位置関係をあらわしている情報であり,身長に関する情報は不必要であることがわかる。このように,三つの異なるタイプのカードをうまく組み合わせ,多くの情報カードの中から不要なカードを除き,必要な情報を収集していく。大まかな位置を示すカードから,場所の見当をつけ,特定の位置を示しているカードで,位置の確認を行っていく。この一連の情報活用の流れを,ゲームを達成していく過程で自然に行えるように意図して,カードの内容を作成した。この教材の特徴は大きく分けて二つある。一つ目に,複数の情報を組み合わせる必要がある内容となっていることである。生徒たちには,8人の小学生を整列させるという課題が与えられる。そしてその課題を達成するために,ヒントが書かれている情報カードをもとに考えていく。もっている情報はそれぞれの生徒により異なり,断片的な情報である。そのため,一つの情報だけでは意味をもたない。そこで,情報を収集し,加工することで,新しい情報をつくりあげていく作業が必要になる。これらの作業が情報活用の実践力を養うことにつながる。二つ目に,コミュニケーションを取らざるを得ない内容になっていることである。生徒がもっている情報カードの内容はそれぞれ異なり,一人では課題を解決することができない。自分はどのようなカードをもっているのかということを口頭で伝え合い,コミュニケーションを取らざるを得ない。これは,「他者とのコミュニケーションを通して,事実を正確に理解し伝達することや,互いの考えを伝え合」うという活動を促すことにつながる。※注2▲図3授業の指導案19