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概要

ICT-Education_No.52

日本語の文書作成機器としては,東芝製和文タイプライタがある。最も普及した業務用の和文タイプライタで,鉄筆で原稿を書く謄写版セットも紹介している。生徒一人ひとりに和文タイプの活字を配布し,ポイントと活字の大きさを体感させた。また,1本では何ともない重さだが,活字ケースを生徒たちにまわし,その重みを体感させている。業務用の和文タイプライタは非常に重く,鉄の塊のようだと実感していた。幕末・維新期の金属活字と長崎の関わりについても話した。約20年前に活躍したワードプロセッサは,付属の電子ペンで画面に漢字を書くと自動的に漢字に変換してくれる機能や,電源ONですぐに使えることが非常に新鮮な体験となっている。スキャナ・コピー機能は古い感熱紙を沢山いただいたので,当分実演体験ができそうである。昭和20年代のカーボンコピーを用いて,代表生徒に氏名を大きく書いてもらい,コピー機がない時代のカーボンの圧着コピー方法を実体験させている。現在のコピー機も根本的には同じしくみであることを理解させ,またメールのCC(カーボンコピー)の意味につながることも確認している。(3)画像の記録教科書:「世界最初の写真機」の写真を掲載している。ガラス乾板(大正時代)を書画装置に置くと,ネガなので違和感のある画像が表示される。書画装置のネガ・ポジ切り替えボタンを押し,普通の写真の画像に変化する瞬間はどのクラスでも驚きの声があがる。CCDの説明よりもインパクトがあるといつも感じている。むかしの写真機(昭和20年代)も展示している。(4)音声の記録教科書:「エジソンの蝋管蓄音機」のしくみが写真つきで簡単に記述音が記録された溝を鉄針がなぞることによって起こる空気振動が,音楽として聞こえることを理解させる。実際に蓄音機のゼンマイをまわし,レコードを鑑賞してみる。教室中に音が鳴り響く。「ボリュームはないのですか」と質問した生徒もいる。Columbia製の蓄音機は以前自宅で聞いていたら,家内から亡き父を思い出すといわれて自宅から追放された物である。▲図1教室に展示された蓄音器教室後方に展示している大正時代の『蓄音機の知識』という本からも,普及し始めてきた時代の雰囲気も感じることができる。ハンドルをまわして聞く蓄音機はタイプライタに次いで人気があり,よく使うのでメンテナンスが大変である。(5)電気や磁気の記録教科書:DVD,CD,MO,MD,USBの写真と記録メディアの発達を説明している。フロッピーディスクの8インチ,5インチ,3.5インチの実物を示し,記憶媒体の小型化,高密度化が少しずつ進んだことを理解させる。5インチについてはNEC PC 8001用のFDDドライブを用いて容量の少なさを説明した。8インチを知る生徒は皆無で,5インチでも見たことがあるという生徒は年々少なくなっている。(6)電気通信の発達教科書:モールス電信の原理と和文の「イロハ」のモールス符号をイラストで掲載モールス符号についてのプリントを配布し,縦振り電鍵でモールス符号を非常にゆっくりA,B,C,D,Eまで打つ。生徒に文字として情報が伝わることを実感させる。符号の長さは,よく使われるアルファベットを短い符号(例;E),あまり使われない文字は長く(例;J,Q,Y等)あらわし,伝達スピードを考慮した効率的な符号であ23