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概要

ICT-Education_No.52

ることを理解させたい。明治初期,岩倉使節団の電報で上海・長崎間の海底ケーブルが利用された逸話や,地元諫早と愛野に平成10年まで長崎無線局(JOS)があり,世界各地の船舶と通信していたことも話して,生徒の興味関心を深めている。最後に簡単な音響受信テストを行っている。いつもモールス表示装置を接続して,電源を入れれば使える状態にしているので,休み時間に電鍵を打つ生徒も見られる。アメリカアマチュア無線連盟の『The radio amature handbook 1941版』(昭和16年12月購入)は,印刷の質,豊富な部品広告など,当時の日米の経済力・技術力の差を実感できる教材である。(7)放送の発達教科書:初期の鉱石ラジオの写真を掲載。戦後すぐの自作真空管ラジオを展示して,真空管を使った電化製品の例として生徒に示している。また,戦後のトランジスタラジオの取扱説明書を書画装置で表示し,真空管ラジオよりもきわめてコンパクトで高性能になったことに触れ,コンピュータの小型化に結びつけて解説している。(8)情報通信の発達教科書:インターネットの記述から始まっている。インターネット以前の様子も理解させたいため,現代の携帯電話,スマートフォンとの結びつきを解説し,興味関心を深めている。NTTのポケットベルを示し,電話をかけるとすぐにポケットベルが鳴るしくみが携帯メールに影響したことを紹介している。サービスはすでに終了して使用できないが,電池を入れると呼び出し音が鳴る。次に,国立科学博物館認定の重要科学技術史資料の一つであるNTTショルダーホンは,後の携帯電話に発展することを説明した。ハンドオーバについても解説し,携帯電話のしくみを少しだけ理解させている。バッテリーを抜いているにもかかわらず,予想外の重さにびっくりする生徒が多い。受話器を取って雰囲気を楽しむ生徒もいるが,もちろん使用不能である。▲図2NTTショルダーホンドコモPHS(パルディオ)は,初の端末のみでEメールが可能な機種である。PHS2台で実際に通話させ,音質のよさを体験させている。家庭の電話の延長であるPHSと携帯電話の違いをPCM技術等の圧縮技術を例に少しだけ話している。平成4年にNTT Angel Note(電話番号検索用専用端末)が希望者に配布され,オペレータを介さず電※注1話番号照会をすることができるようになった。(9)むかしの計算機教科書:そろばんの写真を掲載している。実物のソロバンを準備するが,経験者も多く操作方法を説明する必要はないようである。また,2年生なので計算尺を書画装置で表示して数学の対数計算の関連性を説明している。(10)機械式の計算機教科書:機械式計算機の誕生の記述がある。タイガー計算機や日本計算機の機器を用意する。簡単な足し算やかけ算を実際に操作して理解させたい。生徒は金属の塊みたいな重さと桁数の多さに驚き,興味関心が高い。古い機械なので歯車の不具合も発生し,メンテナンスに苦労している。(11)リレー式計算機教科書:電磁石で回路を開閉するリレーの説明がある。多くの生徒はリレーを見たことがないので,実物を書画装置で拡大し,しくみを説明した。※注1:NTTから貸出期間終了後,無償で継続利用の通知あり。現在は個人所有品。24