ブックタイトルICT-Education_No.52
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ICT-Education_No.52
(12)真空管式計算機教科書:真空管利用のENIACの写真を記載。大小取り混ぜて真空管を展示し,ガラス管であることを理解させる。生徒が落としてけがをしないように,しっかり固定している。また真空管が高熱になるので「バグ」の逸話も話している。(13)プログラム内蔵方式計算機教科書:現在のコンピュータの基礎となったEDVACについて記述されている。むかし,大型コンピュータで使用していたパンチカードを書画装置で示して,1枚1枚,専用の機械でカードに穴を開け,読み取り装置から計算機内の記憶装置にプログラムやデータを記憶させていたことを解説する。捨てずにもっと残しておけばバッチ処理を実感させることができたのではないかと思うと残念である。(14)コンピュータの小型化電卓」を示して,当時の人がそろばんから離れられない気持ちがあったのではと話している。本格的なパソコンの登場についての説明では,別の単元で扱う16進数と結びつけて,NECのTK-80を紹介している。エミュレートソフトを利用し,16進数を入力して簡単なプログラムを作動させることができる。8個の16進数表示しかないのに,なぜ爆発的なマイコンブームが起こったかを生徒たちに伝えるのは難しい。当時購読していた『NECマイクロコンピュータクラブニュース』の創刊号や月刊『ASCII』の創刊年の雑誌を書棚に展示するとともに,近頃のパソコン雑誌も手にとって読めるようにしている。教科書:「真空管⇒トランジスタ⇒IC⇒LSI」と写真で小型化の進展を記述している。実際に書画装置で「真空管⇒リレー⇒トランジスタ」と並べて,どんどん小さくなっていくことを実感させている。廃棄されたマザーボードを再利用してつくられたCompuNote社のマウスパッドを利用して,LSIの集積度を解説している。手持ちのCPUを載せて,生徒の理解や興味関心を深めるよい教材となっている。(15)電卓が生んだコンピュータ教科書:世界最初の電卓,4004マイクロコンピュータやNECのTK80の写真とその説明を記述している。電子式卓上計算機カシオミニに電池を入れ,簡単な足し算やかけ算を書画装置で表示し,民生用電卓の最初を紹介する。たった6桁しかなく,割り算では小数点がなく整数で表示される。生徒には故障としか思えないようなしくみである。ややチャタリング気味ではあるが,ゆっくり操作すればまだ使用可能なレベルである。そろばんから電卓への過渡期の製品としてシャープの「そろばん▲図3むかしのコンピュータNECのPC-8001本体,ディスプレイ,プリンタ,フロッピーディスクのセットを実際に作動させている。本体からの起動は,電源ONとともに一瞬で起動するので,生徒たちに驚きの声があがる。このパソコンを大型テレビにも接続して画面を見たり,実際に触りたい生徒も多いので,いつも使える状態にしている。授業では扱わないが,簡単なベーシックのプログラムを試す生徒もいる。4.最後に教科書だけではできない,実物を見たり,触ったり,操作する体験を多くの生徒にさせてあげたいと思っている。操作によって破損や故障も発生しているが,自分や家族が所有している幸運を,生徒のために今後も最大限活用していきたい。25