ブックタイトルICT-Education_No.52
- ページ
- 28/36
このページは ICT-Education_No.52 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは ICT-Education_No.52 の電子ブックに掲載されている28ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
ICT-Education_No.52
sAccessでデータベース操作実習を行おう今回のとっておきIdeasAccess岡山大学長瀧寛之nagataki@okayama-u.ac.jp1.はじめに平成25年度から施行された共通教科「情報」の「情報の科学」では,データベースの概念を理解すること,またそのために実際にデータベースを作成・操作する活動を取り入れることとされています。データベースは身近なコンピュータシステムのほとんどで使われている重要な技術である一方,利用者側からは普段,その存在に直接触れる機会が少ないものでもあります。データベースのしくみへの理解を促すためには,学習指導要領にもあるように,実際にデータベースを操作する実習を行うことが重要です。しかし実際は,「情報の授業でデータベース実習を行うことは難しい」という声を多く聞きます。既存の教科書や参考書では,データベース実習例として既存のデータベース管理システム(DBMS;Microsoft Accessなどが該当)を用いたものが多いですが,既存のDBMSは利用者がデータベースのしくみを十分理解していることを前提に構築されており,いまからデータベースのしくみを学ぼうとする初学者にとっては操作方法の習得だけで多くの時間を費やしてしまい,その操作を通してデータベースのしくみを理解するまでたどり着けないということになりがちです。結果,十分に実習が行えないままデータベースの学習が終わってしまったり,講義だけで済ませて実習は省略してしまったりと,十分なデータベースの教育が行われていない事例が少なくありません。過去にはデータベース学習支援を目的としたツールもいくつか提案されているのですが,ほとんどは大学の専門教育でのデータベース教育を想定したもので,データベース操作言語として主流のSQLの習得が主目標となっているものが大半です。共通教科「情報」では,データベース設計・管理のスペシャリスト養成が目的ではないのですから,習得に時間がかかるSQLや専門教育を想定した既存ツールでは,やはり高校生対象の授業に用いるには不向きです。こういった現状を改善するには,高校の共通教科のような“教養としてのデータベース概念の理解”を目的とする学習環境で,手軽に短時間でデータベースの実習を行える教材が必要であると考えました。これが今回紹介するデータベース実習ツール「sAccess(サクセス)」を開発するきっかけとなりました。2.sAccessの概要sAccessはデータベース操作実習での利用を目的とした学習支援ツールです。おもなターゲットとして高校の情報教育を想定していますが,特定の教科書や実習資料に特化せず,汎用的にデータベース操作を体験できるツールとなっています。sAccessはWebアプリケーションであり,主要なWebブラウザであれば,別途プラグインなどは必要なく,誰でもすぐに利用することができます。26