ブックタイトルICT-Education_No.52
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ICT-Education_No.52
ネットはなく,研修の中心はMS-DOSおよび周辺ソフトを学ぶことであった。ところが,その研修が終了した数年後にはWindows95が登場し,一体,あの研修は何だったのかと思ったこともあった。このように,ここ数十年のICTの技術的進歩は,当時の想像を超え,今後も児童・生徒が学校で学んだことが,たちまち役に立たなくなるという事態が起こることは十分想定される。だからこそ,児童・生徒には,体系化されている知識を吸収すると共に,知識を得るための学び方を学んでほしいのである。それが,Learning to knowである。そこで,教科「情報」の先生方には,情報社会に不可欠なさまざまな知識を学び続ける主体である生徒の意欲や情熱を伸ばし,論理的・体系的に学ぶ学び方を伝え,生徒たちを育てていただきたいと願っている。(2)為すことを学ぶ(Learning to do)小学校の新学習指導要領では,児童が,コンピュータや情報通信ネットワークに慣れ親しむだけでなく,基本的な操作や情報モラルを身につけるよう改訂された。小学校でも,親しむだけではなく,使えることを目指すようになったのである。「為すことを学ぶ」というのは,「知識をいかに実践に結びつけるか」を学ぶということである。教科「情報」では,社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てることが目標の一つとなっている。すなわち,教科「情報」で学んだことを日常の生活で実践し,教科「情報」で学んだことを基礎として社会の情報化に主体的に参画することが求められている。では,そのための必要条件はなんであろう。私は,まず,学校の先生方が,社会の情報化の進展に主体的に対応し,参画する意識をもち,実践することだと考える。それは,教科を問わず,先生方が学校という閉じた空間の殻を破り,学校を社会の中の一組織として情報が行き交う場につくり変えていくことでもある。高等学校では,立地している地域はもちろん,日本・世界を問わず,他の高等学校,大学,研究機関,企業,NPOなどと学校を繋ぎ,つねに教育内容の質を高め,情報の積極的な発信を行っていくことが重要である。そして,授業は,新しい情報による絶え間ない教材研究と深い生徒理解,ICTを適時適切に用いる工夫によって知識基盤社会における高等学校教育を豊かなものにしていくものでなければならない。とくに,教科「情報」の先生方は,授業を通して社会の情報化の進展に参画しているという意識を持ち続け,学校内でリーダーシップを発揮していただくことが重要である。情報社会に主体的に参画することを「実践している」姿を生徒に見せることが,生徒が「為すことを学ぶ」基盤をつくっていくからである。(3)(他者と)共に生きることを学ぶ(Learning to live together, Learning to livewith others)世界は多様性に満ちている。「秘められた宝」では,「共に生きることを学ぶ」ことについて,「多様性の価値と相互理解と平和の精神に基づいて,他者を理解し,相互依存を評価することである」と述べている。また,そのために,「他者を発見すること」(Discoveringothers)が重要であると述べている。私は,異なる文化や言語の多様性を知り,「他者を発見すること」において,教科「情報」ほど力を発揮する教科はないと考えている。Face to Faceのコミュニケーション能力を習得することが,現代に生きる児童・生徒たちに必要不可欠なことはいうまでもない。教科「情報」では,さらに,情報とメディアの特徴,情報機器や情報通信ネットワークを活用し2