ブックタイトルICT-Education_No.52
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ICT-Education_No.52
事的な内容を適宜補足する必要はあるが,めまぐるしく技術が進化する情報社会において,いつの時代にも通用する普遍的な内容であり,生徒が情報に興味をもつ大きなきっかけになっている。(2)プログラミングの体験すべての生徒に早い時期からプログラミングを体験させ,コンピュータと対話する感覚を養うことを目的として,現在でも初歩のプログラミングを行っており,新課程でも両科目で取り組む。内容は,2進数や論理演算等の基礎理論を学習した後,アセンブリ言語でハードウェアを意識したプログラムの基礎を学び,最後は高水準言語で実際のブログラムを体験させるという流れを意識している。アセンブリ言語はIPA主催「基本情報技術者試験」用のCASLⅡを使用し,福嶋宏訓先生の『CASLⅡ完全合格教本』(新星出版社)に付属しているシミュレータ,「Let’s CASLⅡ」で実習を行っている。「公的な教育機関においてはパソコン教室などに必要台数分インストール可」という使用条件のおかげで,貴重なアセンブリ言語を体験させることができる。「Let’s CASLⅡ」では編集モードでコードを入力し,アセンブルボタンで入力したコードを機械語に翻訳するという手順を踏まえた上で,実行モードでプログラムを1行ずつ実行することができる。実行モードではレジスタとメモリの情報がリアルタイムに表示されるので,1行ずつ命令の内容を確認しながら,レジスタとメモリのデータのやり取りを体感することができ,生徒はプログラムを動かす実感を体験することができる(図2)。▲図2『CASLⅡ完全合格教本』と「Let’s CASLⅡ」題材としては足し算,シフト演算,論理演算程度に留めておき,深入りしすぎないように注意している。ねらいとしてはコンピュータにたった一桁同士の足し算をさせるためにも,これほどまでの指示が必要であることを理解させることと,高水準言語で同じ計算をやらせ,その違いを体感させることにある。また,2進数を中心とした基礎理論がいかに重要であるかを実感させるねらいもある。高水準言語に関しては,プログラムの基礎を学ぶには,個人的にはC言語がふさわしいと考えているが,コンピュータ室の環境や他分野で学ぶHTMLとの関連性,教科書の内容等を考慮し,スクリプト言語のJavaScriptを使用している。(3)問題解決学習(見学旅行)生徒は将来,情報機器等を駆使し,さまざまな分野で活躍してくれることと期待しているが,学校教育の場においても,学校祭の準備や見学旅行計画の立案,進路指導の場面など,情報機器の活用なしでは成り立たない。情報科で情報機器等を効果的に活用して問題を解決していく能力を高めることが,ホームルーム活動や他教科との連携にも繋がると考えている。両科目共通で取り組む課題は,2年次最大の行事である見学旅行をいかに実りあるものにできるかということである。まず,『まち歩き京都修学旅行自主研修マップ』(教材研究所)を生徒全員にもたせ,地図上の行ってみたい名所をインターネット等で調べ,レポートを提出させる。次に,実際の自主研修時に見学したい箇所をピックアップして,移動手段も含め研修計画を立案させる。その際なんとなく行く場所を決めるのではなく,全体で一つのテーマとなるよう見学場所を選定することを重視する。最終的な研修計画はホームルーム活動の中で研修班ごとに作成するが,最初から班活動とすると人任せにして主体的に考えない生徒が出るので,事前に一人ひとりが自分なりの研修計画を立案することを経験させる。こうすることで個々が高い意識を7