ブックタイトルICT-Education_No.53
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ICT-Education_No.53
度である。そのため,一度にスライドにたくさんのことを書いても聞き手は覚えられないので,3点のみに絞るというルールである。(2)発表時のルール1)スライドに書いてないことを話すこのルールは,提示するだけではなかなか生徒は実行することができない。そこで,このルールを実行するための具体的な手立てを次のように指導している。○最後に「です」「ます」をつけるスライドを棒読みせずに,話し言葉に直して話すという意味。○「例えば…」を続けるスライドに書いてあることに,「例えば…」を続けて具体例を説明しなさい,という意味。○エピソードを話すこの,三つの手立てを指導することで,格段にスライドを棒読みするだけのプレゼンを減らすことができた。2)聞く人の方をできるだけ見るようにする3)身振り手振りを入れる主役である自分に聞き手の注意を集めるため,身振り手振りを入れるようにしよう,と指導している。(3)NGワードぼんやりとしたプレゼンになるのを避けるため,NGワードを設定している。NGワードに設定しているのは「いろいろ」「たくさん」「とにかく」の3語と,それに似た言葉である。「なぜ使ってはいけないか?」の説明として,生徒には面接試験の自己PRでの回答を思い浮かべさせている。「「私のよい所は『いろいろ』あります」。これで自己PRになっている?」と問いかけて理解させている。また,もしどうしても「たくさん」あるということを説明したい場合は,具体的な数字にするように指導している。ある生徒が「(NBA選手の)コービー・ブライアントは1試合で100点取ったことがあります」のように紹介してくれた。この生徒の表現と,「コービー・ブライアントはたくさん点を取ります」という表現では,どちらが聞き手の心に残るか,説明するまでもないだろう。3.「10年後の自分の仕事を紹介する」(1)授業の概要この授業は,「10年後になったつもりになり,自分が「いま」就いている職業について後輩の高校生にアピールする」というものである。生徒はまずその職業について調べ,ワークシートにまとめる。次にプレゼン構成をワークシートに記載し,スライドを作成,最後にプレゼンの実施となる。(2)授業のねらいこのプレゼンでのねらいは,自分で情報を集め,プレゼンの構成を決め,実際にプレゼンする,という流れを実践することにある。「仕事紹介」という内容にしたのは,キャリア教育をより充実させたいという思いがあったからである。総合高校では,「産業社会と人間」という科目で,職業適正検査や校外実習などのさまざまな学びをしているが,一つの職業をキャリアとして(どのようにその職業に就き,どんな仕事があり,その後どんな道が待っているのか?)じっくり調べる機会はない。しかし,進路選択ではまさにそのキャリアを考えるので,そのための予行演習のようなものが必要と考え,授業に取り入れることとした。また,情報科ならではのねらいとして,情報の収集と整理の過程の可視化を取り入れた。KJ法もどきのワークシートを用意し,収集した情報の量と質を生徒が把握しながら,不足している情報をさらに収集できるようにした。(3)授業の準備1)仕事調べワークシート生徒は自分が調べたことを付箋に書いて,この11