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概要

ICT-Education_No.53

回答を表示させることで,みんながどのように考えて答えたのかを共有することができる。生徒の回答には「同一性保持権」,「翻案権」,「公衆送信権」など,事前にWikiを利用して学習したキーワードが出てきており,Wikiでの学習効果も確認できる。また,回答の記述から,誤って理解している生徒もいることがわかった。スクリーンで回答を見せながら,出てきたキーワードの再確認ができた。[質問4]の「なぜ著作権について考えて行動する必要があるのか。」については,答えが決まっている質問ではないので,できるだけ多くの回答を生徒間で共有するにはこのフィードバックが有効であった。図4に生徒の回答の一部を示す。理解が深まった79.17%やや理解が深まった16.67%あまりそうとは言えない4.17%そうとは言えない0.00%約80%の生徒が「理解が深まった」と回答しており,一連の活動によって,著作権の理解に対して一定の学習効果が得られたと考える。フィードバック機能は生徒どうしで考えを共有し,さまざまな意見を参考にすることができる。積極的に発言できない生徒も,匿名で表示されるフィードバック機能では自分の考えをしっかり表現できたようである。また,Wikiは簡単に自ら情報発信でき,協同学習で利用するとその発信した内容が他者の理解につながるので,責任を持って情報発信するという意識も生まれた。▲図4生徒の回答(質問4)回答には「著作者が嫌な思いをしないため」「その人の思いが踏みにじられないように」といった著作者の人格に関わる内容が書かれているものや,「著作者の利益を守るため」「その作品の価値を高めるため」といった著作者の利益に関わることが書かれているものがあった。これらから,著作権が「著作者人格権」と「財産権」から構成されていることにも触れることができた。4.結果授業内でフィードバック機能を利用して理解度について確認した。「この単元を通して,著作権について理解が深まったか」という問いに対しては,次の結果となった。▲図5授業の様子5.まとめWebサイトの制作において,実際に著作権処理を行うことで「無断で他者の著作物を利用できない」,「許可が得られれば他者の著作物を利用することができる」ことについて理解を深めることができた。Wikiを利用した協同学習では簡単に自分が情報の発信者になることができ,また,その発信した内容が他者の理解につながるので,責任を持って情報発信するという意識も身につく。Moodleのフィードバック機能を利用した授業では生徒の理解度,考えを共有しながら授業することができ,生徒の声を拾い上げて行う「生きた授業」を展開することができた。21