ブックタイトルICT-Education_No.53
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ICT-Education_No.53
CSアンプラグドで情報の楽しさを伝えよう今回のとっておきIdeaCSアンプラグド大阪電気通信大学兼宗進kanemune@acm.org1.はじめにITの普及により,情報技術が身近に使われるようになりました。技術が進歩しても数学や物理などの自然法則は変化せずに使い続けられますが,情報についても,情報科学は技術が進歩しても通用する基礎になっています。今回の記事では,「社会と情報」と「情報の科学」の基礎となっている情報科学を,楽しくわかりやすく学習するための教材や教育法として,「CSアンプラグド」「CSフィールドガイド」「ビーバーコンテスト」の三つを紹介します。これらはニュージーランドとヨーロッパを中心に開発されている教材で,世界中の小学校から高校までの情報教育の現場で普及が進んでいます。2.CSアンプラグドCSアンプラグド(コンピュータサイエンスアンプラグド)は,専門的な知識を持たない小学校から高校までの児童生徒が情報科学の本質を体験的に学習することのできる教育手法です。題材によって異なりますが,いずれも7歳から9歳以上が対象です。CSアンプラグドの詳しい情報は,※注1※注2書籍や解説サイトで読むことができます。CSアンプラグドは1990年代に,ニュージーランドのカンタベリー大学でコンピュータ科学を研究していたティム・ベル博士が,当時小学生だった息子さんに自分の研究しているコンピュータ科学の楽しさを伝えるためにつくられました。小学生でも体験できる作業や活動を通して,情報科学の本質を体験できることが特徴です。CSアンプラグドは現在も改良が続けられていますが,基本的には翻訳されて書籍になっている次の12個の章から成り立っています(表1)。章内容章内容12進数7整列アルゴリズム2画像表現8整列ネットワーク3テキスト圧縮9グラフ理論4誤り検出10ネットワーク通信5情報理論11状態を持つ機械6探索アルゴリズム12プログラミング言語▲表1CSアンプラグドの内容扱われている内容は高校から大学で学ぶものばかりですが,説明と教材を工夫することで小学生にも理解できるように構成されていることが特徴です。ここではいくつかの章を紹介します。第1章では2進数を扱っています。最初に一人ひとりがビットの役割をしながら数をつくる実習(図1)を通して,「0と1だけで数をつくれる」という基礎を理解します。続いてワークシートや※注1:兼宗進監訳『コンピュータを使わない情報教育』イーテキスト研究所2007※注2:CSアンプラグド(http://csunplugged.jp/)26