ブックタイトルICT-Education_No.53
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ICT-Education_No.53
情報社会の視点論点メディアリテラシーを獲得するための情報デザイン?東京学芸大学附属高等学校森棟隆一morimune@gakugei-hs.setagaya.tokyo.jpメディアからのメッセージを主体的・批判的に読み解く能力,メディアリテラシー。読み解く「メディア」は,テレビや新聞,雑誌,ラジオなどといったマスメディアとは限らない。※注1総務省(2012)によれば,13 ? 19歳におけるインターネット利用は97.2%,また52.9%がスマートフォンを主要端末として利用している。ブログやSNSなど新しいコミュニケーションメディアが次々と登場し,今後さらなるコミュニケーション手段の多様化が予想される。個人での情報発信の機会はますます増えており,メディアをより主体的・能動的に扱う能力が求められるようになってきている。SNSなどの,近年新しく登場したメディアを読み解く力は「ソーシャルメディアリテラシー」や「ICTメディアリテラシー」などとも呼ばれる。それらを獲得するための(情報デザインの)方法について,第1回では情報を読み解く観点から,第2回では情報を発信する観点から考えていく。情報発信者が情報受信者に向けて情報伝達を行う際のメディアと情報デザインの関係を図1に示した。情報発信者が情報受信者に向けて情報伝達を行うとき,情報発信者は何かしらの課題意識を持ち,効率的に,かつ意図した通りに情報を伝達しようとする。つまり,情報デザインを行うとは,情報をまとめあげ,情報発信者のねらい通りに伝える行為である。「デザイン」というと,見栄えよく,格好よくすることととらえられがちであるが,情報デザインの本質はそれだけではない。情報発信者が設定した課題や目標を,意図した通りに解決したり,達成することこそが本質であり,課題解決のないデザインは存在しない。デザインの計画は,「誰に,何を,どのように」伝えたいのかを設計することからはじまる。ターゲットとなる情報受信者によって,伝えるべき情報や表現方法は異なる。そのため情報デザインの方法は,ターゲットによって変化する。デザインされた情報はメディアを介して情報受信者に届けられる。情報受信者が情報デザインの考え方を身につけることで,あふれる情報に振り回されることなく情報を読み解いたり,物事を批判的思考(クリティカルシンキング)でとらえることができるようになることが期待されている。プレゼンテーションの場面を例に考えてみよう。▲図1メディアと情報デザインの関係※注1:総務省「平成24年度通信利用動向調査」(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/130614_1.pdf)参照。30