ブックタイトルICT-Education_No.53
- ページ
- 5/36
このページは ICT-Education_No.53 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは ICT-Education_No.53 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
ICT-Education_No.53
使用したいために,保護者に頼んでフィルタリングを外す子どもたちが増え,その結果,フィルタリング加入率の低下を招いているという悪循環が生じていることは,悩ましい問題である。(4)インターネット利用端末の多様化青少年インターネット環境整備法が施行された5年前に比べ,昨今は子どもたちも,ゲーム機や携帯音楽プレーヤー,タブレット端末など,さまざまな情報端末からインターネットに接続できる環境にある。例えば,携帯電話でフィルタリングを適切に設定していたとしても,子どもたちがいつも遊んでいるゲーム機や携帯音楽プレーヤーなどからインターネットに接続すると,有害情報にアクセスすることができてしまう。こうした端末にはフィルタリングがかけられないからである。これは,青少年インターネット環境整備法が,携帯電話事業者にのみ,フィルタリング提供の義務を課したためであり,Wi-Fi環境が整備された今日において,この問題への法的,技術的な対応が迫られていると言える。3.子どもたちのインターネット依存への対策(1)スマートフォンへの依存傾向ここまで,主にフィルタリングの観点から,子どもたちのインターネット利用の実態と現制度とのズレを指摘してきたが,ここでは,いま,インターネットを利用する子どもたちが抱えている潜在的な問題として,長時間利用による依存について取り上げたい。前述の平成25年度青少年のインターネット利用環境実態調査では,青少年のインターネット利用時間についての経年比較も行っており,平日に1日あたり平均でどれくらいインターネットを利用しているかを調査している。これによると,インターネットを2時間以上利用する青少年は,2009年度で27.8%となり,その後いったん減少したものの,2013年度の時点では39.8%に増えている。平均利用時間もはじめて100分を超えた。さらに,この調査結果で着目すべきポイントとして,スマートフォンの利用者の方が,携帯電話の利用者よりもインターネットを長時間利用する傾向にある点があげられる。(2)インターネットで暇を消費する高校生スマートフォンには無数のアプリがあり,コミュニケーションやゲーム,電子書籍の閲覧,動画の視聴など,インターネットを利用したさまざまなサービスが充実している。特に中高生の場合は,ゲームと動画視聴で長時間インターネットを利用する傾向が強い。無料のゲームやサービスがこれほどまでに充実した環境というのは,これまでになかったことである。高校生の日常生活は暇な時間が多い。長時間のインターネット利用が物語るものは,授業の合間や移動中,そして特に何もすることがない時間のほとんどを,彼らはスマートフォンをいじることで過ごしているということである。高校生にとっての暇な時間を,果たしてゲームや動画視聴で消費してしまっていいのだろうか。このような「時間」を今後どうとらえていくべきなのかが,高校生のインターネット利用を考える上で,新たな課題となりつつある。4.その他の諸課題(1)個人情報・プライバシーの流出スマートフォン固有の問題として,カメラで撮影した写真に位置情報(ジオタグ)が付加されていることを知らないまま,自宅で撮影した画像を投稿してしまい,住所がわかってしまうということがある。カメラで撮影した画像には位置情報が付加されており,投稿する前によく確認しなければならないことや,設定変更をすることなどを認知させる必要がある。また,アプリをインストールすることで,端末3