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概要

ICT-Education_No.53

図書館を使った探究型学習(調べ学習)埼玉県立草加高等学校鶴見美子1.はじめに本校は昭和37年開校の全日制普通科の高等学校である。旧日光街道草加宿の北に位置する草加松原に近く,歴史の古い街の中にあるとても落ち着いた学校である。また本校では,社会に出て5年前後に,それぞれの所属組織の中で若手のグループリーダーとして活躍することができる若者の育成を目指している。卒業生のほとんどが進学を希望し,約6割が4年生の大学に進学している。生徒はとても素直で生真面目である。平成26年度は旧課程の「情報A」を3年次で行っている。1クラス40名,50分授業を週2コマ(連続ではない)行っている。2.授業のねらい本校では,ほとんどの生徒がスマートフォン(以下;スマホ)を持っている。日頃感じているのは,「調べる」ということは「スマホで探す」ことと思い込んでいる生徒が多いということである。とても素直で疑うことを知らない生徒たちは,スマホで検索をし,検索結果の1件目に出てきた情報をすぐに信じ込んでしまう(鵜呑みにしてしまう)傾向がある。そこで,情報の宝庫である身近な図書館を授業で活用することで,スマホ以外のメディア(本・雑誌・新聞)にも目を向けさせたいと考えた。そして「調べる」ということは単に「探す」だけではなく,「探す」「読む」「考える」という一連の流れであり,特にこのうち,「考える」プロセスを体験させ,その大切さに気づかせたいと考えた。「考える」プロセスとは,次の4ステップである。1)テーマの設定2)情報の収集3)整理・分析4)まとめ・表現本実践では,この「考える」プロセスをワークシートを使うことによって「見える化」し,調べた内容を学ぶことはもちろん,「学び方」そのものも学ばせたいと考えている。以下に授業の目標をまとめると,1テーマを明確にできる。2情報の信頼性や信憑性を考え,取捨選択ができるようになる。3複数の資料に当たり比較検討する「クロスチェック」の重要性に気づく。4調べる過程を記録に残すことの重要性に気づく。5調べた客観的な事実と自分の意見を分けて考えられるようになる。6引用・参考文献の記述を理解する。である。以上の六つの観点から,評価も行う。本実践の課題は「情報モラル」に関するキーワードの中から,危険,あるいは問題があると感じているものを調べ,それに対する解決策を提示するレポートにまとめさせることである。3.教材の説明(1)パスファインダー生徒には最初に,何を調べるかを決める際のヒントとなる基礎的な情報として,次のパスファイ※注1ンダーを提示した。1資料の探し方2資料のリスト3キーワードのリストキーワードは「情報モラル」のテキスト,「情6