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概要

ICT-Education_No.53

報A」の教科書から選んだ。(2)ワークシート本単元では,一連の「考える」プロセスを「見える化」するために,4種類のワークシートを活用し,生徒の考えや学びを整理し,深めていく。これらのワークシートは,いずれも前任校の図書館司書の実践や日本図書館協会の書籍から借用している。1)「キーワードひらめきシート」テーマの設定に使う。思いつくままにキーワードからイメージを広げる。そこから一つのテーマを拾う。2)「問いを5W2Hに分けるためのシート」テーマを明確にし,問いを立てる(自分の知りたいことを確認する)。「○○について」調べるというだけでは何を調べてよいのかわからない生徒が多いが,問いを立てることで答えを探すために必要な資料を読むようになり,考える道筋が明確になる。3)「資料から答えを探してみよう」問いを書き,答えを予測する(仮説を立てる)。「読んだことをまとめてみよう」から答えを探し,クロスチェックする。予測した答えと資料から導き出した答えとの比較をする。4)「読んだことをまとめてみよう」資料から必要な部分を取捨選択して書き出す。引用か要約かといった違いを認識して,記述する資料の内容と考察を分ける。4.授業の流れ今年度はこの実践を4月後半から8時間で行っている。授業の展開,内容は表1の通りである。前時オリエンテーション第1時テーマの設定第2~4時情報の収集第5時整理・分析第6~7時まとめ第8時表現▲表1授業計画1パスファインダーを配布する。—キーワードから自分の興味関心を考える(宿題)。「テーマの設定」1授業の目標と作業手順を理解させる。−「キーワードひらめきシート」−「5W2Hに問いを分けるためのシート」※疑問文を三つセレクトする(Whatは必須とする)。−「資料から答えを探してみよう」(3枚)2答えを予想する。「図書館で調べる」1情報探索の計画を立てる。−NDCの説明−目次・奥付・索引の説明Wikipediaは参考文献にならないことを伝える。−「読んだことをまとめてみよう」(6枚以上)2要約・引用・情報の信憑性を考える。「資料から答えを探してみよう」1集めた資料を検討する。−クロスチェック2複数の資料から答えを導き出す。3事前の予想との違いを考察する。「レポートの準備」1ワークシートから文章に直す。−あいまいな個所の洗い出し−調べ直し2調べた理由を入力する。−Wordでまとめる。「レポートを書く」1レポートのひな型を提示する。−序論・本論・結論・資料の章立てを理解する。2前時のWordの情報を再構成する。5.授業において留意したこと図書館での調べ学習については,十分な資料が用意されていることが条件となるため,司書との事前の打ち合わせが必要となる。「調べ学習にふさわしいテーマは何か?」「そのテーマでどのくらいの資料(内容のレベル・1クラスの生徒が十分に利用できる冊数)を用意することができるか?」「日頃の生徒たちの読書の状況や図書館での様子から生徒が興味関心を持ちそうなテーマであるか?」「4時間という短時間で調べることができるテーマであるか?」など,かなり前からの※注1:パスファインダー(Pathfinder)とは,「特定のトピック(主題)に関する資料の探し方をまとめた一枚の印刷物(リーフレット)」(石狩管内高等学校図書館司書業務担当者研究会2005年)である。7