ブックタイトル情報科プラス No.001
- ページ
- 7/8
このページは 情報科プラス No.001 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 情報科プラス No.001 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
情報科プラス No.001
情報科教諭必読の書から生徒に読ませたい本まで、読書家の先生4人にオススメの本をセレクトしていただきました。情報科教諭に聞いたまずは押さえておきたい11冊連載企画[ 授業のネタ帖]教諭’77 年東京都生まれ。専修大学大学院修了。「物事に主体的に取り組み、自らの判断で行動できるようになってほしい」と社会調査を重視した授業に取り組む。目下の目標は「情報科と数学科が共同で統計学の授業を行うこと」。埼玉県立川越西高等学校曽田正彦Ma s a h i k o S o d a教諭’82 年宮崎県生まれ。関西大学大学院修了。授業で一番大切にしていることは「Learning to ICT ではなく、Learning with ICT」であること。「問題を発見し、解決しようとする姿勢を身につけてほしい」とワークショップ形式の授業をメインに据える。神奈川県立川崎高等学校鎌田高徳Ta k a n a r i K a m a d a教諭’72 年東京都生まれ。中央大学大学院修了。大切にしている指導分野は「著作権法」と「プライバシー権」に、「個人情報」と「肖像権」。子どもたちにとって実感を得にくいそれらの授業も、リアルな事例を盛り込みながら、子どもたちの関心を引き出す。中央大学杉並高等学校生田研一郎K e n i c h i r o I k u t a教諭’57年北海道生まれ。弘前大学卒、北海道教育大学大学院修了。政治、経済、芸術、宗教、環境など様々な分野を取り込んだ刺激的な授業を展開。「混乱させる、悩ます、失敗させる。とにかくやらせて、自分なりに考え、最後は解決させる」が指導上のモットー。北海道札幌北高等学校奥村 稔M i n o r u O k u m u r aナビゲーターコンピュータの基本技術・原理を700ページ以上の紙幅を割いて解説した大書です。大学の時、私が受講した講義のテキストで、他のテキストはすべて捨てましたが、この本だけは捨てられませんでした。教壇に立つ以上、情報技術に対する理解を確実なものにしたいという思いがあります。情報技術の表層から深層までを初心者でも理解できる形で記したこの本は、私にとってのバイブルです。【鎌田】授業で著作権法を扱うとき、立法趣旨を押さえておかなければ説明がぼやけ、説得力に欠けます。具体的な判例を押さえておかなければ生徒の理解も得られません。そういう意味でも、読むべき本として本書の右に出る本はありません。法学関係者が「教科書」と称するこの本には、著作権法の立法趣旨から、歴史的経緯や具体的な判例・事例までを、専門家でなくても理解できる平易な言葉で解説しています。時間が許すかぎり、すべての情報科教員に読んでほしいと思う本です。【生田】『コンピュータシステムの基礎Fundamentals of Computer Systems第16版』何を聞かれても答えられるように――。著作権法関係者の「教科書」。『著作権法』これだけは読んでおきたい。情報科教諭“必読の書”何度も読み返したい“座右の書” 情報科を学ぶ生徒に読ませたい本アイテック教育研究開発部/アイテック/4200円学校現場に入ってまず困るのは、サーバやネットワークの管理です。たとえ大学で学んでいたとしても、実践(管理)するとなるとなかなか難しいものがあります。そんな時、この本があれば鬼に金棒です。副題にあるようにTCP/IP、LAN、光ファイバについて、丁寧に解説されており、授業で使える内容も含まれています。サーバ、ネットワークの管理に困る可能性があれば、準備室に備えておきたい一冊です。【曽田】学校現場に入ったら、まずはこの1冊。『ネットワークはなぜつながるのか 第2版』戸根勤/日経BP社/2520円情報教育の中でも「情報」の扱いについての論説はたくさんありますが、「情報を編集する」という斬り口に出会うことはありませんでした。本書が説くのは「情報を編集すること」の重要性。そして、特別な行為としてとらえがちな「編集」も、実は日常的で、基本的な行為であるということ。「編集」を通して、情報を俯瞰する視点を持ち得れば、自分の懐にどう落とし込むべきかの方向性も見えてきます。読み手の人生観や職業観、価値観などを心地よく刺激してくれます。【奥村】多様な視座・思考を与えてくれる。『知の編集工学』松岡正剛/朝日文庫/672円中山信弘/有斐閣/4410円はじめて手にしたときは衝撃を受けました。2進数やパリティチェックを教えるときは今でもこの教具を活用しています。2進数など難しい内容になると「生徒がついてこない」、「もっとわかりやすい授業を」と思う先生はぜひ一度読んでもらいたいと思います。【曽田】難しい話になると生徒が……。一般的な科学的思考について「解説、練習問題、まとめ」といった流れでレッスンしてくれます。いわば、学校で教えてくれない科学的思考を学校のスタイルで教えてくれる本。巻末の参考文献にはクリティカル・シンキング、認知心理学、科学哲学などの語句が並び、授業を作るうえで理論的な支えにもなってくれます。【奥村】「科学的」な思考とは――。『「科学的思考」のレッスン─学校で教えてくれないサイエンス』戸田山和久/NHK出版新書/903円二重らせん構造を解明したワトソン、言語学に革命をもたらしたチョムスキーら、学問の常識を逆転した叡智6人にインタビュー。最先端の知性を率直な言葉として引き出すインタビュアーの力量も素晴らしく、対話というコミュニケーションが、これほどまでに刺激的な行為であることを生徒にもわかってほしい。【奥村】最先端の知性、感情と向き合う。『知の逆転』吉成真由美/NHK出版新書/903円プライバシー権や肖像権は、判例の積み重ねによって法的に認められてきた権利です。そのため、判例や事例を理解する必要がありますが、本書はその記述が丁寧です。何より、法律業界の学説と著者自身の主張、プライバシー・肖像権侵害の成立要件と免責要件とが書き分けられているため、とても役立ちます。【生田】疑問が生じたら、まずはこの本を開く。『プライバシー権・肖像権の法律実務』佃克彦/弘文堂/4515円知的財産法、とくに産業財産権法にかかわる基礎的な部分がわかりやすく書かれています。情報社会の法的側面は著作権やプライバシー権、肖像権だけでなく、不正アクセス禁止法やプロバイダー責任制限法など多様です。情報科教員が情報社会の法的側面を勉強するときに最適な一冊です。【生田】元教科が数学や理科の先生のツボにはまる。『理系のための法学入門』杉光一成/法学書院/2520円自由に情報を発信できる時代だからこそ、適切なリソースを収集し、調査を行うことが重要になる。本書は「社会調査の過半数はゴミだ!」と豪語する著者が、巷にあふれる社会調査のレトリックを多様な視点で論じています。社会調査を解読する力と、情報の信ぴょう性を見極める力を養うためにも読ませたい本です。【曽田】社会調査の過半数はゴミだ!『「社会調査」のウソ─リサーチ・リテラシーのすすめ』谷岡一郎/文春新書/725円著者は歌人・斎藤茂吉の息子で精神科医の斎藤茂太さん。妻には「Yes Man」と呼ばれるほど「いい人」だった茂太さんの人生訓が詰まった本。「人は楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔だから楽しい」という言葉は、教師として、心に刻んでおきたい言葉です。簡単ではないけれど、いつもニコニコしていれば、生徒たちの学ぶ態度も変わります。【鎌田】教師が楽しめば、子供たちもついてくる。『「いい人」が損をしない人生術』斎藤茂太/PHP新書/571円(Amazon Kindle版)コンピュータの原理を教えるうえで、もっといい方法はないかと悩んでいたとき、この本に出会いました。すぐに実践し、生徒たちの反応がとてもよかったのをよく覚えています。コンピュータの使い方は時が経てば陳腐化しますが、この本で学べることは不変です。【鎌田】授業ですぐに使える材料が満載。『コンピュータを使わない情報教育アンプラグドコンピュータサイエンス』兼宗進(監訳)/イーテキスト研究所/1575円7 ICT-EDUCATION WITH TEACHER 情報科+ 6