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概要

情報科プラス No.002

’74年東京生まれ。中等教育学校で「情報の科学」を指導。指導上のモットーは「高校生にとってのリアリティを追求すること」。「情報を学ぶ意義」を見失わないように、情報で学ぶことと現実社会との接点を常に意識した指導を心がける。東京都立三鷹中等教育学校能城茂雄S h i g e o N o s h i r o教諭’79年神奈川県生まれ。「情報の科学」を指導。「理論先行の授業ではなく、授業で学んだことが、実社会でどのように活かされているのかを伝えたい」。レゴマインドストームによる問題解決学習や、映像制作などの取り組みも行う。東京都立神代高等学校山本博之Hi r o y u k i Yamamo t o教諭’65年三重県生まれ。日本IBM大和研究所、大阪電気通信大学などを経て、現職。工業(電機情報工学)を担当。文理問わず「情報の科学的な理解」が大切との思いから、情報科学や情報工学に重点を置いて指導する。神戸市立科学技術高等学校中野由章Yo s h i a k i N a k a n o教諭’88年東京生まれ。「社会と情報」を指導し、セキュリティやプライバシー、倫理分野での指導に力を注ぐ。パソコン部ではプロジェクションマッピングや3Dキャラの立体投影など、最新技術を取り入れた指導も行っている。東京都立成瀬高等学校池尻啓輔K e i s u k e I k e j i r iナビゲーター日本が誇るマンガ文化。数ある作品の中から、授業で紹介できるマンガや、指導の参考になる作品を、情報科の先生に推薦していただきました。『のだめカンタービレ』で知られる二ノ宮知子さんの作品。草食系男子である主人公が、あるとき出会った女の子に恋心を抱き、それがきっかけで、パソコンをより速く動作させる「オーバークロック」の世界に足を踏み入れます。オーバークロックは、現実社会でも大会が存在する世界。オーバークロックする人はオーバークロッカーと言われています。作者もプロに取材をしたうえで描いているようで、マニアックで、ディープな世界がしっかりと描かれています。と同時に、主人公はパソコンの“パ”の字も知らない初心者。それゆえ特殊な技能も、だれもが理解できるように、わかりやすくストーリーが構成されています。先生が読んでも勉強になる専門性がありながら、初心者が読んでも理解できる、わかりやすいストーリーで、読んだ後は、つい生徒に勧めたくなる、そんな作品です。(池尻)「オーバークロック」のディープな世界を通じてパソコンへの興味・関心を引き出してくれる87CLOCKERS(ヤングジャンプコミックス)エイティセブン・クロッカーズ二ノ宮知子/562円+税/集英社総人口230 万人を数える巨大な都市は、その人口の約8割を学生が占めることから「学園都市」と呼ばれていた。学園都市では、超能力の開発が行われ、特殊な授業(カリキュラム)を受けた学生たちは超能力を身につけ、レベル0からレベル5まで格付けされていた。その頂点に立つのはレベル5の超能力者7人。そのうちの一人、主人公・御坂美琴(みさか みこと)は、電気を自在に操り、『超電磁砲(レールガン)』の異名を持つ14 歳の女子中学生。そんな美琴たちの前に、学園都市の闇が襲いかかり……。あらすじ特殊な超能力を身につけた主人公たちが、高度に情報化した都市「学園都市」で起こるさまざまな事件に立ち向かっていく姿を描いています。登場人物たちの天真爛漫で無邪気な日常と、学園都市の闇を描いたシーンとのギャップが大きく、情報社会のもつ怖さが、より深く、より大きく浮かび上がって見えます。プライバシーや個人情報のあり方、さらには、情報が不適切に扱われたときどうなるかという問題点を考えさせられる作品でもあります。(中野)高度に情報化した社会において、「情報」のあり方を考えさせられる作品とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲原作:鎌池和馬/画:冬川基/キャラクターデザイン:灰村キヨタカ/550円+税/発行:KADOKAWA、プロデュース:アスキー・メディアワークス幼い頃、宇宙飛行士になることを誓い合った兄弟が、夢を追いかけ奮闘する姿を描いた作品。「宇宙に行く」という課題に、主人公が試練を一つひとつ乗り越え、夢に近づいていく姿は、まさに情報科で教えるべき「問題解決」です。チームワークもあれば、プレゼンもあり、拡張現実などの情報技術も数多く登場します。現実社会の情報通信技術と照らし合わせながら読んでも楽しく、見どころ、読みどころ、授業で使える(言及できる)ポイントに溢れた作品です。(山本)夢を追いかける感動のストーリーから問題解決の意義を知る宇宙兄弟(モーニングKC)小山宙哉/552円+税/講談社c小山宙哉/講談社2046 年、謎の生命体を追うために組織された国連宇宙軍。その遠征メンバーに選ばれた少女と、少女が恋心を寄せる少年とのやりとりを、携帯電話のメールをモチーフに描いています。遠征に旅立った少女が地球から離れるにつれ、メールのやりとりにかかる時間も長くなります。地球から8.7 光年の位置からメールを送っても、届くのは8年後。多感な10代の心情を詩的に描いた世界に触れ、「情報」を伝えることの意味について、深く考えさせられました。(能城)詩的で、多感な世界を通して、情報を伝えることの意味を改めて考えるほしのこえ(アフタヌーンKC)c新海誠・佐原ミズ/講談社新海誠・佐原ミズ/657円+税/講談社情報科教諭が選ぶ授業で使えるマンガガイド連載企画[ 授業のネタ帖] 厳選8 冊音大生の主人公・一ノ瀬奏(いちのせ かなで)は、音楽の才能はあってもやる気をもてない草食系男子。実家はお金持ちで、性格は温厚なのだが、なにしろやる気がないため、コンクールにも就職活動にも意欲を持てず、毎日をもてあましていた。そんな奏が、あるとき美しい女の子・ハナと出会い、「オーバークロック」の世界を知る。ハナに近づくため、奏は、オーバークロックの腕を競う大会に出場することになるのだが……。あらすじ未来都市を舞台に活躍するロボットを描いた、手塚治虫の代表作。いまから60 年以上も前に想像された未来社会と、現在の情報社会との違いは何か。あるいは情報技術の点ではどこが進化して、どこが進化しなかったのか。そうした視点で読み返すと楽しさも倍増します。(中野)アトムを通して情報社会の進歩を考える鉄腕アトム(手塚治虫文庫全集)手塚治虫/900円+税/講談社表紙・価格はすべて第1巻のものを掲載しています(『ほしのこえ』は一冊完結)。汎用性人型ロボット「レイバー」が普及した時代、多発する犯罪に対処する警視庁のパトロールレイバー(通称「パトレイバー」)の活躍を描いた作品。OSや音声認識システムなど、情報科にかかわる描写が多く、何よりも、現実を踏まえて近未来を空想した作者の見識の深さに驚きます。(山本)作者の見識の深さに改めて驚く機動警察パトレイバーゆうきまさみ/581円+税/小学館c手塚プロダクション技術的な描写も、専門用語もたくさん出てきます。情報科の先生であれば、授業での言及・活用という点でいろんなイメージが湧いてくると思いますが、なにしろ作者は、社会現象にもなった、あの『のだめカンタービレ』の作者です。子どもたちなら、だれもが一度は目にしたことのあるタッチ(絵)です。生徒の興味・関心を引くうえで、これほど強力なものはありません。一番わかりやすいところでは、ハードウェアの単元やパソコン自体に興味を持たせるために「導入」として作品を紹介するのが効果的なのではないかと思います。(池尻)ココが使える「人間に宇宙は作れるのか?」というテーマで、落ちこぼれの大学生と天才少女が、ディベートと試行錯誤を繰り返しながら答えを探ります。「宇宙を作る」という究極の問いに対する問題解決が作品全体を通して描かれ、問題解決のプロセスや意味を十二分に知れます。(池尻)究極の問いで、問題解決の醍醐味を描く神様のパズル作:機本伸司/イラスト:内田征宏/467円+税/ソフトバンククリエイティブ高校生でプロ棋士の主人公が、仲間やライバルとの交流を通じて成長する姿を描いています。将棋にはコンピュータ将棋があり、その先には人口知能があります。情報は伝統的な文化ともリンクすることを知ってもらうために、その入口として、将棋をテーマにしたこの作品を紹介したりします。(能城)ICTはどんな世界とも関連があることを伝えたい3月のライオン羽海野チカ/467円+税/白泉社主幹教諭7 ICT-EDUCATION WITH TEACHER 情報科+ 6