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概要

情報科プラス No.003

I C T - E D U C A T I O N W I T H T E A C H E RPLUSNOVEMBER2013vol.01創刊号NOV2014No.003CD3325526 2014 11 20情報情報科+ No.003 イフデザイン教育。これは品川女子学院が掲げる教育目標のひとつである。「世の中が大きく変わるなかで、教育も変わりつつあります。こんなときだからこそ、『新しい授業モデル』をつくっていきたい」。 世界の第一線で活躍する人物を招き特別講座を実施したり、タブレット端末をいち早く導入したりするなど、先進的な取り組みで知られる品川女子学院。 教育界のみならず、経済界やメディアにも注目される数々の取り組みのなかで、情報社会に関わる学習をリードするのが、情報科主任の酒井春名先生である。「昨年、アップルの*ADE に参加しました。そこで、世界の錚々たる教育者たちの考えに触れ、同時に、日本の教育を外から見れたことは、とても大きな財産になっています」。 いまのままの教育ではいけないと考えた酒井先生は、社会に広くアンテナを張り、引っ掛かるものがあればどんどん授業に取り入れていく。それゆえ「授業モデル」は常にアップデートされる。 ヤフーとコラボしたサイト制作やiPhoneアプリの開発、慶應義塾大学SFC で教授も務めたプロダクトデザイナー坂井直樹氏を招いた「デザイン思考授業」など、その取り組みは枚挙に暇がない。「情報」のシラバスには、教科書ベースの座学に、動画(CM)制作やアプリ制作、社会人を前に行う実践的なプレゼン実習などが盛り込まれる。「子どもたちが学校を巣立って10年後の世界はどんな社会になっているのか。そこから逆算して、いま学ぶべきことを考えます」。 酒井先生の考える「新しい授業モデル」は、生徒と社会人との本当の意味でのコラボレーションの場を設定することではじめて実現される。「穴埋め問題が解けるだけでは、近い将来、活躍できる場はありません。課題を発見し、解決する力の重要性が増しています」。 たとえば、企業とのコラボでは、協働する企業を子どもたち自身に見つけさせる。自分が社会にどう貢献できるのかを考えさせ、社会との接点を見つける場として機能する。大人顔負けの厳しい課題だが、この試練が本当の意味での問題解決力を育成する。「いまこそがベストでなければならない」と、酒井先生は自らにも厳しいノルマを課す。 そんな酒井先生のもとには生徒とコラボしたいという企業の要望が後を絶たない。10年後の目標であったはずの生徒の姿は、もうすでに酒井先生の目の前に現れはじめている。ラ「28歳になったときに活躍できる人材を育成する」ことを目標とし、実社会を学びの舞台に据えた取り組みを数多く行う。情報科主任として「社会と情報」の指導に力を入れている。連載企画授業の流儀、先生としての流儀、教科「情報」に対する流儀を、酒井春名先生に伺いました。品川女子学院Ha r u n a S a k a i酒井春名 教諭お話を伺ったのはNo.003Art Dicrection / Eishi Takeda (hooop) Illustration / Hankiti Maeda Photo / Makoto Shima, Satoru Yoshida*右記「ADEメンバーの証(楯)」参照。紙幅の都合で紹介しきれなかったことは、日本文教出版のWebサイトで公開します。ぜひお越しください。酒井先生の準備室もともと家庭科を指導されていた酒井先生。住居美学への関心も高く、カバンには愛用のカメラが。気になるアート、デザインを見つけると撮らずにはいられない。酒井先生の必需品企業とのコラボレーションによって、生徒たちが実現した商品群。生徒の「課題解決能力」に一目置き、コラボしたいという企業は後を絶たない。企業との商品開発ADEはアップルが支援する教育ネットワーク。1 年に1 度開かれる「ADEInstitute」には世界中から優れた指導者が集まる。参加するにはアップルの推薦と、課題審査での合格が求められる。ADEメンバーの証(楯)