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概要

教育情報 No.11

りました。尚絅学院大学は名取市にあり、川崎町と大学はおよそ20㎞離れていますが、町にとって一番近い大学です。この協定によって、町と大学は教育関係の分野でも関係を結ぶことになりました。 まだ1年も経過していないので大きな事業はできていませんが、教育委員会関係では、小学校で「サマーセカンドスクール」という、夏休みに子どもたちとの学習や運動、遊びなどの活動を学生と3日間行いました。このような交流の他に、町民と大学との交流も生まれつつあり、大学の講師派遣や、町民の大学見学や大学での講義参加などいろいろな機会が設定されています。 この交流が町にとって素晴らしいのは、川崎町の支倉常長祭りに大学の吹奏楽部や合唱部、踊りの愛好会などがステージに立ち、町民に喜ばれ、盛り上がりの祭りになったことでした。大学との交流を教育という場面で考えているところです。 町には多くのスポーツ団体があり、老若男女スポーツに励んでいます。団体は、子どもたちのスポーツ育成にも力を入れています。スポ少の加入率はとても高くなって、これも指導者の方々が脈々と繋がり組織が壊れずに続いているからです。 スポ少の他に、B&Gが主催している川崎町スポーツ教室「運動笑学校」総合型スポーツクラブがあり、幼児から成年まで年代別に年間プログラムがあり、水泳やスキー、体操、ヨガ、球技、親子運動教室など時期に応じたスポーツをしています。何よりも幼児期から参加ができることでスポーツに慣れ親しむ講座として適切です。 公民館は、青少年事業として、ジュニアリーダーの育成があります。中高校生が任意加入し、町の行事等で活躍します。学校の授業以外の学習は、中高生にとって貴重な体験です。その他にも、青少年向け、小学生向けの講座や研修があります。 子供会育成会では、各地区で様々な行事を企画し、活動しています。中でも町内大会の親子バレーボール大会は毎年盛り上がっています。地区ごとに練習をして親子チームで大会に臨みます。親子の絆や地区内の結びつきが一層強くなる機会の一つです。 ふるさと教育は、人的・物的な環境を利活用しながら、子どもに郷土愛を根付かせることです。ただ、単なる郷土という範囲ではなく、今や郷土からグローバルな社会にも開かれた郷土愛をもつ郷土です。そして、郷土愛は、他の地域との比較や優劣ではなく、郷土の良さや強さ、ユニークさを知り尽くし、郷土独特の志を育てることではないかと考えます。 我が町の川崎中学校では、「川崎魂」という言葉をスローガンにしています。「川崎魂」とは何かと考えると、川崎の風土自然文化で培われた漠然とした精神であり、端的な言い方では“忍耐強くがんばろう”といった意味合いも含むかと思います。川崎という地域独特の、表現しきれない心情や精神があるのだと思います。 「地域全体で子どもを育てる」という主題をまとめると、学校教育や社会教育、地域社会などいろいろな組織が機能し、ふるさとの良さや強さ、独自性を感じながら、私たちは子どものより良い成長を図ることが最終的には重要であると考えます。そのためにも地域全体が、子どもの安全に留意して子どもの命を守り、日々の挨拶などで子どもと関わり、学習やスポーツで?がり、親子の絆以外にも多くの絆が子どもにできるようにすることです。この関係性の環境づくりに、私自身、教育長として奮闘尽力せねばと思う次第です。公民館やB&Gを利用した社会教育ふるさと教育は支倉常長祭りで尚絅学院大生が演奏教職時代は、日本人学校や大規模校、へき地校等に勤務。東日本大震災当時、被災地校の小学校長として移転せずに学校を復興再開。東北大学大学院卒業。「人間形成における主体性」を生涯の研究テーマにしている。著者プロフィール● 大沼 吉朗 (おおぬま よしろう)05