ブックタイトル教育情報 No.11
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教育情報 No.11
これからは、ますます地域と学校の連携が重要となってきます。具体の姿は、協働であり、互いに有益で、無理なく続けることです。その姿に近づくための鍵が、「コーディネートする感性」です。 当校は、私校長、教頭、地域連携担当教職員(6年担任)の3人が、社会教育主事有資格者であり、それぞれが国や県の青少年教育施設の行政を経験しています。 3人に共通しているのは、行政の経験、すなわち、国や県の予算を元に、事業を企画・運営し、実施後に費用対効果を検証し、次の事業を展開していることです。学校とは違い、広報したり、営業に回ったりしないとお客さんはやって来ません。 そこで大事なのは、ネットワーク、フットワーク、ライフワークです。言い換えると、様々な人や団体とのつながり、いつでも駆け付け、直接顔を付き合わせること、そして、一回きりではなく、スタイルは変えてもずっとやり続けているか(生涯学習)、という視点です。この3つのワークを身に付け、実践してきたことが社会教育主事としての宝物です。 特に大事なのは、ネットワーク(つながり)です。人と人は容易につながりません。いかに、相手の心をつかみ、自分も一緒にやってみて、ともに喜びを分かち合えるかがたいへん重要です。これがコーディネート力、協働への道筋です。地域や団体には素晴らしい人材がいます。その人材に光を当て、その人が生き甲斐をもって取り組み、その人も地域も元気になれば最高です。この感性が、社会教育主事の肝となります。この感性を学校現場でも磨き続け、地域と学校が心からつながっていくことが、「社会に開かれた教育課程」「地域とともにある学校づくり」の出発地点となります。まさに、今、その姿勢が求められているのです。 安野小学校では、コミュニティ・スクールの前段階として、「安小の子どもを守る会」を組織しました。当初は、子どもの安心・安全のための組織でしたが、学習ボランティアや環境整備の組織として、子どもと積極的にかかわる組織に再編成しています。平成29年度は、どんな安野の子どもにしたいのか、地域の力を学校に向けることはできないかと熟議を重ねてきました。そして、生活科や総合的な学習の時間に地域人材や地域素材、歴史や文化を導入するための準備が整いました。地域教育プログラムの一例を紹介します。 10月の下旬には、ふるさとdayという日(週休日)を設け、子どもたちが縦割り班で地域のチェックポイントを回ったり、地域の文化(三角だるまづくり)や伝統芸能(太鼓や神楽の舞)にふれたりします。また、日本近代図書館(早稲田大学)の初代館長である市島春城のふるさとでもあるので、春城の業績や今に伝わる功績をじっくりと学んでいます。 地域に誇りをもつ安野の子どもたちを育成し、地域の人たちを元気にするため、これからも社会教育主事の感性を活かしていきます。社会教育主事資格を活かした学校経営~コーディネートする感性~新潟県阿賀野市立安野小学校 校長 相澤 祐助新潟県阿賀野市立安野小学校 校長昭和63年4月、新潟大学教育学部を卒業し、新潟県の教員に採用される。平成9年に社会教育主事講習を受講し、資格を有する。平成22年から24年までの3年間、新潟県少年自然の家に勤務。平成29年から現職。著者プロフィール● 相澤 祐助 (あいざわ ゆうすけ)社会教育主事の経験と特性コーディネートを学校経営に活かすクローズアップ!教 育現 場のCD33394日文 教授用資料平成30 年(2018 年)3 月31 日発行No.11