ブックタイトル教育情報 No.12
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教育情報 No.12
そして地区ごとの特別支援学級担任間の連携にもつながっている。(1)市町村連絡協議会の開催(年間2回) 小中学校等における特別支援教育支援に際しては、41市町村教育委員会との連携が重要であることから協議会を実施し、国の施策の説明や予算の活用について情報提供している。また、市町村同士の協議を行い、それぞれの自治体の課題や取組を共有することで、新たな取組のヒントと改善点への気づきの場としている。(2)就学支援を含めた早期からの相談体制の構築 国のインクルーシブ教育システムの構築に向けた取組については、特別支援教育が推進される中で、平成25年に学校教育法施行令が一部改正された。これにより市町村教育委員会は、早期からの相談の機会を設定し、子供本人の教育を第一に考える視点に立って、保護者と就学先についての合意形成が行えるよう支援している。 市町村教育委員会にとどまらず、障害のある子供と関わる関係機関に対し、①市町村教育委員会就学支援担当者連絡会、②就学支援スキルアップ研修、③教育・医療・福祉等早期支援地方協議会を実施し、関係法令、並びに就学支援事務についての周知徹底や市町村間の連携強化、相談支援力の向上等を目指す研修となるよう事業展開している。(1)切れ目ない支援体制の構築に向けて 高等学校特別支援教育実践推進研修を年1回開催し、高等学校における特別支援教育の課題を解決するための協議を行っており、高校間での情報共有の場ともなっている。 また、表1に示されている「特別支援教育コーディネーター養成研修」においては、中学校区単位で幼稚園から高等学校全ての校種のコーディネーター間で課題を共有し、連携を深め、切れ目ない支援体制の構築に向けて取り組んでいる。 さらに、中学校と高等学校との連携を図るために、高等学校の入学者選抜の願書受付を経て「中学校・高等学校特別支援教育連携協議会」を開催している。(2)高等学校に在学する生徒の学びを支援する①「合理的配慮に係る教育支援機器等の整備事業」 障害のある生徒の授業等における情報保障に係る合理的配慮を提供するとともに、合理的配慮についての相談支援も行っている。また、事業は民間に委託しており、機器や支援の専門的な知見の高い企業や事業所等が対応することで、具体的、客観的に対応が図られ、生徒や保護者の障害受容や理解が進み、生徒及び保護者への支援につながっている。②「高等学校支援員配置事業」 平成30年5月時点で、高等学校での特別支援教育支援員の配置校は32校で、特別支援教育支援員を42名配置している。成果として卒業後の就職や専門学校、大学進学につなげることができている。 ①②の事業を活用することにより、単位の修得につながり成績が向上した、国立大学等への進学や就職につながったなど成果を上げている。(3)高等学校における通級による指導の開始 今年度よりモデル校1校で13名の生徒を対象に指導を開始している。自らの障害特性の理解やコミュニケーション等を学ぶ科目を設定し、生徒一人一人の教育的ニーズに応じた指導を行っている。 通級の指導は、生徒の卒業後を見据え、生徒が自立し、社会参加するために必要な力を蓄える場である。 今後は、高等学校における通級による実践をとおして成果と課題を検証し、指導の充実と進め方等の研究に努めていきたい。 特別支援教育が始まって10年が経過した。 幼稚園、小中高等学校それぞれの場での気づきも増え、特別支援教育についての理解を深め、インクルーシブ教育システムの構築に向けてつながりを意識して取り組んできた。 縦のつながりは、幼児期から高等学校卒業まで切れ目ない支援体制の構築であり、横のつながりは連続性のある多様な学びの場における教育の充実である。 これからも、縦と横のつながりを大切にした特別支援教育の充実を図り、人材育成と実践力向上を要とした様々な事業に取り組み、沖縄県の幼児児童生徒の「やる気」と「笑顔」を支えていきたいと考えている。平成6年小学校採用。平成26年浦添市教育委員会学校教育課指導主事。平成29年より現職。著者プロフィール● 瀨底 正栄 (せそこ まさえ)高等学校における特別支援教育の推進市町村における特別支援教育を支える切れ目のない支援と特別支援教育の推進07