ブックタイトル教育情報No.9
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教育情報No.9
〈ヘルシー弁当〉〈うのんちゃん弁当〉〈大潟づくし弁当〉〈大潟夕日弁当〉がれ、6月6日(土)、7日(日)に開催された大潟かっぱ祭りで合計400個の「大潟ふるさと弁当」が販売された。販売の企画や準備は新6年生が担当し、当日の販売では前6年生(現中学1年生)が協力し、販売開始からわずか30分で完売するという盛況ぶりだった。本校のPTA会報に掲載された現中学1年生の投稿文を紹介する。大成功のふるさと弁当大潟町中学校1年主菜は、大潟の海でとれるアジのフライ、上越産塩麹を使った鶏肉の唐揚げや豚カツ、地場産鶏卵の卵焼きなど。副菜は、地場産アスパラ菜やいちじくなどの和え物、郷土料理の「のっぺ」。デザートは地場産トマトのゼリーや笹団子。また、地元に伝わる伝説から「かっぱ」と「人魚」をイメージした食材や盛り付けがあったり、梅干しと地場産さつまいものきんぴらで、日本海に沈む夕日を表したり、出来上がったふるさと弁当は、どれも大潟の魅力が詰まった内容になった。?全校投票で「大潟ふるさと弁当」を2つに絞る(12月)「大潟ふるさと弁当」の販売企画を大潟商工会に提案するため、全校投票により4つから2つの「大潟ふるさと弁当」を選ぶことになった。投票の結果、「大潟の野菜を使っていてきれい。」「大潟の食材を他の地域の人にも食べてもらいたい。」「お弁当で大潟のきれいな夕日が見られるのはよい。」などの理由から大潟づくし弁当と大潟夕日弁当が選ばれた。?伝えよう!大潟の未来のために(1月~2月)「大潟ふるさと弁当」は、自分たちで作って食べるだけでなく、大潟を広く地域の人や観光客にも知ってもらう手段である。6年生の最終的な願いは、大潟をPRする弁当として「大潟ふるさと弁当」を販売すること。そこで、自分たちが考えた「大潟ふるさと弁当」を駅弁として、また、旅館の食事として取り入れてほしいと考え、大潟商工会や地元料理店の方を学校に招き、企画説明会を行った。地元料理店の方からは、「使用する大潟産野菜の旬と販売時期が合わない。」「衛生上、盛り付けを改良すべき。」などの意見や感想が寄せられた。残念ながら、6年生の「大潟ふるさと弁当」販売の夢は、ここで途絶えたかに見えた。?地域を動かした子どもたちの熱意(3月)6年生は、2月の「大潟ふるさと弁当」提案で、地元料理店の方から厳しい意見をいただき、市販弁当販売の難しさを痛感した。しかし、6年生の熱意が大潟商工会を動かし、6月に開催される大潟かっぱ祭りで、2つの「大潟ふるさと弁当」が販売されることが決まった。?夢の実現そして引き継がれる6年生の思い(6月)6年生の「大潟ふるさと弁当」は、新6年生に引き継昨年度6年生だったゆめ学年は、大潟を盛り上げたいという思いから、「ふるさと弁当を作ろう」と考えました。―中略―お弁当が販売されるまでにたくさんの苦労や厳しい意見がありました。でも、あきらめていたお弁当が実現できてうれしかったです。このお弁当にたずさわってくれたみなさん、お弁当を買ってくれたみなさん、ありがとうございました。1年間かけてやっと実現したこのお弁当。私にとってよい思い出です。?取組の成果とまとめふるさと大潟のPR方法は多様にあるが、「大潟ふるさと弁当」作りを中核に据えることで子どもたちは、食と地域を結び付けながら、ふるさと大潟への愛着と理解を深めることができた。また、「大潟ふるさと弁当」販売という目標に到達したことは、子どもたちにとって大きな達成感と充実感となった。さらなる食育の充実をめざして6年生の総合的な学習の時間の取組では、「大潟ふるさと弁当」を自分たちで作って食べるだけでなく、広く地域の人々や観光客にも知ってもらいたいという思いを実現するために、様々な「ふるさとの人・もの・こと」と関わりながらダイナミックな体験活動を展開することができた。まさに学校と家庭・地域との連携が、子どもたちの学びと意欲の向上につながったものと評価してよいだろう。今後は、これまでの実践で得た連携の輪をより深め、全校体制で更なる食育の充実を図りたい。著者プロフィール●池田春美(いけだはるみ)新潟県上越市立大潟町小学校栄養教諭望ましい食習慣を身に付けること、地域の産物や食文化を理解すること、食べ物や生産等に関わる人々に感謝の気持ちを育むことの3つを柱に、全校で食育に取り組んでいる。07