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概要

線 Line No.11

硬筆入門期の書写指導~二年生の指導について~滋賀県蒲生郡日野町立桜谷小学校講師長井礼子指導のミカタ21楽しく、ていねいに、根気よくて書こうとするので、点画等の指導に適しています。フェルトペンで書いたあとは、必ず鉛筆に戻るようにしています。?鉛筆の持ち方と姿勢について 書写の研究会(硬筆部会)の場で、必ずといっていいほど聞かれるのが、「鉛筆の持ち方が直らない」という指導者の声です。入学前に身に付けた持ち方が癖になっていて、正しい持ち方を教えても、なかなか身に付かなくて困ったという経験は、低学年を担任した者なら誰しももったことのある共通の悩みでないでしょうか。 入学時、補助クリップをはめて書いていた子どもたちも、二年生になるといつのまにか使わなくなっています。子どもたちに理由を聞いてみると、使いにくいと感じていたり、付け替えるのが面倒だったりして、何となく使わなくなったということが多いようです。指導者も、一年生のときほど、声を掛けなくなります。もちろん、使わなくても正しく持てるようになったという子どももいます。 私は二年生の子どもたちにも、補助クリップは、必要なときに使わせています。事務用のものですが、はめやすく、使い 二年生になると文字が雑になるなど、整った文字を書けないという実態があります。 一年生のときに比べて書く量が増えたことで崩れてしまった場合や、字形を整えて書く技能が十分に身につかないまま崩れてしまっている場合もあります。実際、二年生を担任してわかったことは、整った文字を書けない理由はそれぞれ異なるということです。しかし、いずれにしても、どの子も整った文字を書きたいと願っています。硬筆文字についてアンケートをとった結果、「大人になったら文字をきれいに書きたい」と全員が答えています。そんな子どもたちに「上手に書けた」という満足感や達成感を味わわせてやることが、私たち指導者の使命であり、喜びでもあると考えます。?筆記具について  硬筆の筆記具はさまざまです。まず、毎日使っているのが、鉛筆です。二年生になるといろいろな鉛筆を持ってくるようになりますが、できるだけ芯の柔らかいものをすすめています。Bや2Bがほとんどですが、書写の時間には、4Bで書かせています。子どもたちは、最初、太い芯に驚きましたが、「書きやすい」と好評でした。柔らかい芯で書くと余計な力を入れずに書くことができるので、おすすめです。 フェルトペンも緊張感をうみ、集中しやすいのですすんで借りにきます。このクリップは身近なアイテムとして、おすすめです。今まで、輪ゴムや洗濯ばさみなどいろいろ試してきましたが、いずれにしても使いにくいと続きません。指導者が、子どもたちに合ったものを見つけ、根気よく指導していくことが必要だと思います。日頃から、鉛筆の持ち方に意識を向け、時には子どもたちをほめることも忘れず、声かけをしていくことが大切ではないかと思います。 正しい鉛筆の持ち方を定着させるには、日々の授業の前に持ち方チェックをします。例①②のように、子どもたちがイメージしやすい楽しい合い言葉を使って定着を図ります。例①クジャクの頭を作って、反対の手で鉛 筆を持っていき、野菜スティックをむ しゃむしゃ(指先を動かす事を意識し たやり方)。②親指とひとさし指で、OKマークを作 る。中指から後三本は、丸めて、この 指のなかに、ハムスターに触れるよう にふわっと持ちましょう(柔らかく持 つことを意識させたやり方)。14