ブックタイトル線 Line No.11
- ページ
- 9/20
このページは 線 Line No.11 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 線 Line No.11 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
線 Line No.11
二学期からは、この二十三項目の分類に従ってノートを作り、まずクラスで確認した漢字を書く。このノートを辞書のように作文を書くときに傍らに置いて活用する。そこへ新たに使った漢字を項目・分野ごとに書き足していくようにする。 作文を書いている過程で考えがまとまらないとき、このノートを分野ごとに見ていると思いが浮かんだり、思い出したりすることがある。多くの言葉が並んでいるので語彙表の役割を果たしているのだ。 例えば、【⑨動き】の項目だと、「見る・言う・帰る・遊ぶ・行く・作る・出る・歩く・食べる・聞く・会う・合う・開ける・走る・持つ・乗る・死ぬ・落ちる・直す・使う・飲む・登る・上がる等、四十七語」といった具合だ。三学期には、一年間使った項目ごとの漢字を全員で出し合い、クラスの作文用漢字辞典を完成させる。この共通の辞書と自分の辞書を比べたり、自分の使用した漢字をマーキングしたりすることで、自分の漢字使用の特徴をふり返ることができる。この作文用漢字辞典は次の学年でも大いに活用される。 新井紀子氏の指摘によると、中学一年生の教科書は定義文がものすごく多く、子どもたちの一番苦手なタイプの問題も定義文を読む問題だそうだ(「初等教育資料」二〇一八年四月号 文部科学省)。 そこで、人、物、事柄に関わる対象を説明(定義)する学習を事典作りにつなげる実践を提案したい。 子どもたちは、物事を説明するためのカテゴリーに一年生から触れている。学習指導要領の言語活動例にも「仕組み」などが取り上げられている。多くの学校(注1)での実践を通して、三年生になると「十五のカテゴリー」(注2)を理解語彙として獲得していると考えられる。さらに四年生になると、十五のカテゴリーを使って様々な対象を説明することができるようになる。この説明力は全教科、日常生活においても必要なものである。 朝の会などを利用して、教師が「お題」を提示し、子どもたちはカテゴリー一覧表を参考にして、百字原稿マスに記述する。書き終わるとペアで使用カテゴリーの番号を朱書きして確認する。教師は、みんなの説明文を集約して、対象ごとに使用カテゴリーのランキングを発表する。対象には、より適切なカテゴリーがあることを発見する。 大阪府の四條畷市立岡部小学校では、全校で取り組んで、毎回クラスで四名ずつの作品を掲示して交流している。学力や記述力が顕著に高まったそうだが、同時に丁寧な文字で書く習慣も育成されている。 さて、四年生の取り組みだが、一学期継続していると百字を超えたり、多くのカテゴリーを使い始めたりする。書き慣れてくるのだ。同時に、文字も少し乱雑になってくる。二百字を超える者も出てくる。ほぼ全員が超えるようになると、今度は逆に百字まで短くするように指導する。記述したカテゴリーがその対象を説明するのに、より適切なものかどうかを考え、判断させて朱線で削除させていく。そうやって推敲したものを百字原稿マスに丁寧に書き上げる。 このように、一年間「ひと・もの・こと」について「十五のカテゴリー」を有力な道具として活用して、自分なりに定義してきたものを五十音順に綴じて私家版国語辞典を完成させる。完成したものを級友と交流して、その違いや個性を楽しんだら、市販されている国語辞典と読み比べて、どのように構成、記述されているかを自分たちとの違いから「批判的」に読み取らせ、その活用の仕方を考えさせる。 今回は、中学年での語彙指導の可能性を、子ども主体の取り組みを中心に考え、提案させていただいた。4 ??????????????????????????????????甲南女子大学教授・交野市教育委員。教育委員会指導主事、四條畷市・交野市の小学校長、中央教育審議会教科別専門部会委員、学習指導要領解説 国語編作成協力者等を歴任。日本文教出版「小学書写」教科書編集委員。???? 私がかつて校長をさせていただいた四條畷市立岡部小学校、田原小 学校、交野市立私市小学校と、記述力調査でお世話になった吹田市 立佐竹台小学校、高野台小学校、枚方市立五常小学校、開成小学校 で実感した。???? 従来、速水博氏は十種類、樺島忠夫氏は十一種類、中西一弘氏は十 箇条、小田迪夫氏は十二種類を上げておられるが、井上一郎氏はい ろいろと考察され、最終的に十五項目が最も適切であると結論づけ られた。私は、井上一郎氏の十五項目を使わせていただいた。尾﨑靖二おざき やす じ?? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ?????? ???????? ?????? ?????? ????それは、何ですかそれは、何でできていますかそれは、どんななかまに入りますかそれは、どんな形をしていますかそれは、どんなふうになっていますかそれは、どうしてそうなっているのですかそれは、どんなはたらきをしますかそれは、どんなことに使いますかそれは、どんなふうに使いますかそれは、どこにありますかそれは、どのように変わりますかそれは、何が問題となりますかそれは、どのようにしてできたのですかそれは、どんな感じがしますかそれは、どんなふうにかかわりますか???????????????????? 15????????????09