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概要

線 Line No.7

誰もがきれいな文字を書きたい、うまくなりたいと願っています。三年生の児童に聞くと、ほぼ全員が毛筆書写の授業を楽しみしています。しかし、学年が進むにつれ、準備と片付けの煩雑さや用具の扱いの難しさ、なかなかうまく書けないなどの理由から、気持ちが離れていく児童も少なくありません。そこで、楽しく書写学習に取り組めるように、次の二点に注意します。?はじめにきちんと指導して、統一しておきたいこと?準備の仕方(机の上の整理、用具の名称、用具の並べ方、左利きなど)…用具は、授業が始まる前に並べておきます(墨以外は全て準備しておく)。?片付けの仕方(筆、作品、残った墨、反故紙の後始末)四年間、いつも同じようにさせるとよいでしょう。教科書などにも紹介されていますが、教室の広さや児童数、机の大きさなど、それぞれの実状に合った方法を工夫することが大切です。書写専用の特別教室を用意できれば効果的です。?はじめにきちんと指導しつつ、授業を進めながら定着させること?姿勢…背筋を伸ばすことだけではなく、筆を持たない方の手や足の位置にも注意を促します。?執筆…筆を立たせて持つこと、腕を自由に大きく動かせることが大切です。手の大きさや筆の軸の太さによって、一本がけ(単鉤法)を体験させてもよいでしょう。これらは、一度の指導では定着させにくいので、書写学習の時間以外でも継続した指導が必要です。特に低学年では、教室に掲示するなど、いつも目につくところに示しておくと効果的です。?授業の流れ(例)?授業の実際三年生の授業におじゃましました?書写セットを開けてみよう真新しい書写セットを開くときのわくわく感を、クラス全体で共有しながら、用具の名前を確かめながら一つ一つ並べていきます。してはいけないこと、しなくてはいけないことを明確にすることが大切です。このときの子どもたちは、書写学習に対する期待と早く書きたい意識から、しっかりと話を聞きます。★用具の扱いに慣れさせる?準備と片付けの煩わしさの軽減★学習のめあてを明確化し、的確な評価をする?達成感と次への意欲●たとえば言葉の意味や漢字の成り立ち、季節感などを話しながら、意欲付けをする。●教科書を閉じ、何も見ずに本時の題材を書かせる。●教科書を開いて題材の字形や筆順などを確かめ、試し書きと比べることで本時のめあてを明確にする。*全体のめあて…教科書や指導書などに記載された、共通のめあて*個人のめあて…個に学習状況に応じた、個別の課題(学習の見通しを立てる)●本時のめあてに沿って、練習させる。*用紙や場の工夫*相互助言、個別指導*モデリングなど●本時のめあてを意識して、学習をまとめる。●本時のめあて、指導に対する評価をします。分授業を取り入れるなどして、評価にも十分な時間をとることが大切です。*相互評価…互いによくなったところを認め合います。*指導者評価…指導者が意識して評価し、クラス全体に紹介します。*作品の掲示…学習の過程がわかる掲示を工夫します。1.題材告知2.試し書き3.分析探求4.練習5.まとめ書き6.評価60もっと書きたい書写学習兵庫県小学校教諭指導のミカタ12