ブックタイトル線 Line No.9
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線 Line No.9
「はらい」「はね」「てん」などについても、始筆・送筆・終筆を意識して空書きし、実際と同じリズムで運筆することが大切です。 筆順や運筆のリズムについては、デジタルコンテンツを活用して学習をするのが正確で効果的ですが、普段から一点一画をおろそかにしない態度を養うためにも、指導者自身が、体全体を使って、大きな声と動作で空書きするのが最もわかりやすいといえます。 持ち方を工夫して 筆を正しく持たず、あえて「わしづかみ」にして書くことを学習に取り入れてみました。子どもたちからは、驚きと戸惑いの歓声が上がりましたが、今回の練習のための特別な持ち方であることをきちんと伝えてから学習に取り組みます。 これは、明治時代に盛んだった執筆法である「廻腕法」の良さが、子どもたちにも簡単に体験できる提案です。「廻腕法」については動画サイトなどでも見ることができます。■筆をしっかりと立てる 筆を立てて持つことで、自然と筆が立 ち、運筆が自由になります。■筆の軸を回さない 「折れ」「曲がり」では、筆がねじれ、半紙から大きな抵抗を受けます。つい、この力に負けて筆を回してしまうことが3筆使いについて4調和を考えて書くことについて 「デュエット」音楽の合唱に学ぶ (相手に合わせてハモるように書く)●ペアで一つの文字を書く(四年「林」)■一画ずつ交代して書く 文字通り一画ずつ交代で書きます。前の人が書いた上に自分が書き足します。■偏と旁を交代して書く 互いに「きへん」を書いた後、交換します。そして右半分を書き加えて文字を完成させるのです。 これらは、今ある点画に書き足していく学習活動です。実際に書く前に、次の点画はどう書いたらよいのか考えなくてはなりません。しかも、そこには友達の書いた点画に付け足すという緊張があります。張り詰めた緊張の中でしっかりと考えることで、点画の長短や組み立てなどの理解が深まり、身についていくのです。名前も二人の名前を合わせた名前を書いて楽しい作品に仕上げます。●ペアで一つの字句を書く (五年「実りの秋」) 一文字ずつ交代して書くことで、漢字と仮名の大きさの違いや文字の配置について考え、意識して書く学習です。全く個性の違う子どもがペアになった時、戸惑いながらも相手に合わせた文字を書こうと努力します。そのとき、一人一人の書写能力の幅が広がっていきます。 書写学習は、「ただ文字を書く」のではなく「正しく文字を書く」「丁寧に文字を書く」でなくてはなりません。さらに、「次の一画」、「次の一文字」を意識し、考えて書くことから「全体を見据えて書く」ことに発展させ、紙面の大きさや目的に応じて、調和よく文字を書く力を追求していくことが大切です。 情報があふれる昨今ですが、安易に流されることなく、児童の実態を把握し、目の前の児童に合った指導法を工夫して実践していくことが大切だと思います。あります。しかし、捻れた筆が元に戻ろうとする力をうまく活かすことで毛筆独特の「はね」や「はらい」ができるのです。■腕全体を動かして書く 腕全体を動かして書くことは、点画をしっかりと意識することにつながり、正しい文字を丁寧に書く書写学習のねらいとも合致しています。 この三点をねらって、書写学習に「筆のわしづかみ」を取り入れてみました。子どもたちからは、意外な筆の持ち方に歓声があがるとともに、慎重に取り組む姿が見られました。*はじめは、「えっ」と思ったが、意外と うまく書けた。*筆を「ぐいっ」と大きく動かしたら、 自然と「折れ」や「曲がり」が書けた。*細かいところはうまく書けない。といった感想が子どもたちから得られました。筆が半紙から受ける抵抗に負けずに、しっかりと運筆するという点では、成果が得られました。13