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概要

線 Line No.9

■自己添削 試し書きに赤ペンを入れることを、私のクラスでは「添削する」と呼んでいます。何枚も練習するだけでは自分の欠点にはなかなか気付かないものです。 この自己添削は、毎時間一枚目を書いた後に行うと、自分の欠点に気付かせることができるうえ、子どもたちも積極的に取り組むことができるので、大きな効果が得られます。■作品ファイル 作品を試し書き、まとめ書きに分けて、次々と重ねて貼っていきます。作品を保存するのに便利です。 また、自己添削することで、自分の欠点を見つけ出す力をつけていけば、教えられるよりも学びは大きいと考えます。 自己評価・自己添削ができるようになれば、随時、相互評価・他者評価の機会を増やすことで、より学習効果が上がります。■分解文字の組み立て 分解文字は、手本をいかに正しく見るかということを自ら学ばせる手段としては、大変有効です。筆順通りに、手本の一画一画をしっかり見ないと、正しく整った文字は作れません。準備を含め手間はかかりますが、それだけの学習効果は得られます。 すべての時間で扱う必要はありませんが、その学年の早い段階で、手本を正しく見る目を養わせるには効果的です。ひたすら練習させるのではなく、時には違った方法を用いて、楽しく学習させることも大切だと考えます。 今回の分解文字は、学習のまとめとして作品ファイルの表紙に貼って完成としました。■筆洗い用ペットボトル 子どもは、学習後の筆洗いが不十分になることが多いものです。そこで、広口のペットボトルを集めて常時教室に置いています。 子どもたちは、ペットボトルの水がきれいになるまで水を2?3回取り替えながら筆を洗います。汚れが目で見て判断できるので、墨の洗い残しはほとんどなくなりました。筆を含め、書写用具を大切に扱うことも学びの一つと考えています。■最後に 冒頭でも述べましたが、たとえば書写や図工のように実技指導が必要な教科は、子どもによって上手・下手がはっきりしてしまいがちです。しかし、それだけで評価していたのでは、苦手意識をもった子どもを作り出してしまいます。そうならないための一つの方法として、楽しく学ばせる工夫を考えました。楽しく学んでいるうちに、一つでも二つでも身に付けてくれるものがあればいいと思うのです。絵なども書と同様で、上手・下手ではなく、楽しんでやっているうちに好きになっていってほしいと願います。 書写の学習を進める中で、良くないところを直すことも必要ですが、それ以上に良いところを大きく褒める方が力を伸ばすことにつながります。 15