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概要

RooT No.14

■関数の意義を踏まえた指導を目指して■野のこれまでの学習のとらえ直しやこれからの学習において重要な役割を果たすこと。関数指導では,グラフをかいたり,式を求めたりといった技能面の指導に重きを置かれがちですが,上記のような意義を十分に踏まえて指導する必要があります。そのためには,関数の指導において,特に,次のような場面を設定するとよいでしょう。2.依存関係にある数量を見いだす場面関数を利用して問題を解決するためには,まず,依存関係にある数量に着目する必要があります。着目する数量やその関係がいつも与えられている状況では,このような力が十分に育つことは期待できないでしょう。それゆえ,問題解決のために,まずは依存関係にある数量を見いだす場面を設定することが大切です。このような場面は,関数の利用の場面だけでなく,関数の導入の場面に設定することも考えられます。問題を数学の舞台にのせること,すなわち定式化することが必要である([1],p.84)。実験や観察で得られたデータには,様々な要因による影響や誤差が含まれる場合がほとんどであり,それらを理想化したり単純化したりして数学的な考察や処理ができるようにする必要があります。関数を用いて具体的な事象をとらえ説明する際にも,数量の関係を理想化したり単純化したりして,事象を数学の舞台にのせる過程を子ども自身が体験することが重要でしょう。その際,例えば2つの数量を表す点がほぼ一直線上に並んでいるときは,折れ線グラフのようにガタガタなグラフとしてとらえるよりも,一直線(一次関数)としてとらえる方が予測しやすいことを認識できるようにするなど,関数とみることのよさを実感できる場面があるとよいでしょう。(℃)大阪市の年平均気温の変化のようす19181716151420502045204020352030202520202015201020052000199519901985198019751970196519601955195019451940193519301925192019151910(年)(『中学数学』2年P.174)(『中学数学』1年P.140)本稿では,関数の意義を踏まえた指導について述べました。次号では,さらに,個々の関数の特徴の理解に焦点を当てて,関数指導の工夫を考えていきたいと思います。3.関数とみることのよさを実感する場面日常生活におけるできごとを数学と結び付けて考えたり判断したりするためには,まず引用・参考文献[1]文部科学省,『中学校学習指導要領解説数学編』,平成20年9月,教育出版.2014 No.149