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概要

RooT No.14

■「内容のスパイラル」と「方法のスパイラル」■さらに,中学生に,「次にどんなことを調べたいですか」と聞いてみたらどうなるでしょうか。おそらくWhat if not?の発想が「方法のスパイラル」として定着していれば,「1辺に4数が並ぶ場合」や「正方形や正五角形の場合」を調べたいと考えることだろうと思います。これは,数学的にとてもおもしろいことで,What if not?によって,「3数でなかったら」「正三角形でなかったら」と考えたからこそ期待できる発展的な学習です。「1辺に4数が並ぶ場合」は,1辺に並ぶ4数の和が,17,19,20,21,23の場合があり,和が17の場合と23の場合が,次のように,やはりペアになっています。195 7と5 39 6 1 42 4 8 3 8 6 2 7198 4と2 66 9 4 12 7 5 3 8 3 5 7和が19の場合と21の場合もペアになっていますので,確かめてみてください。和が20の場合は,例えば次のように,5から下ろした垂線(対称軸)に関して線対称のものがペアになります。552 8と8 24 6 6 49 3 7 1 1 7 3 9このような方陣の場合,頂点のところにある数は2辺が交わっており2回足されますが,頂点になく辺上にある数は1回しか足されません。そのような考察をすれば,(45+15)÷3=20という計算式の意味も理解されてくるはずです。45とは1から9までの和です。和が15になる3数で,(1,5,9)(2,5,8)(3,5,7)(4,5,6)が正三角形の頂点のところに入ればオープンエンドの解が得られます。筆者が興味を持ったものに,次のような星形正六角形(ダビデの星とも言われます)の方陣(一例を下左図に示します)があります。ろくぼうせいこれは「六芒星」とも呼ばれ,1から12を入れて作るのですが,簡単に見つけられないために,中学生でも苦労することでしょう。ただし,頂点にある数も辺上にある数も各々2回ずつ足されることから,78×2÷6=26という計算によって,1辺に並ぶ4数の和が26であることに気づけるはずです。下右図は変形させた星形正六角形の方陣で,1辺に並ぶ4数の和が17と35の三角方陣を組み合わせたものです。111 6 5 410 129 2 7 836.おわりに112 5 7 119 62 4 8 310「方法のスパイラル」は算数・数学的活動をどんどん発展させていきます。これは,「系統性・連続性を意識した算数・数学指導」の醍醐味であり,算数・数学科の教科書が,こうした教材研究の促進につながることを心から期待しております。2014 No.143