ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

RooT No.15

「倍」の指導ポイント「操作としての倍」から「対象としての倍」へ愛知教育大学教授佐々木徹郎平成26年度全国学力・学習状況調査小学校算数の結果は,Aの平均正答率78%,B58%で,全体によい成績をあげています。A,Bともに,問題によっては95%ほどの正答率があり,小学校の先生方のご指導の成果です。しかし,Aでも50%程度の問題もあります。以下は問題2で割合の理解をみるものです。「下の図のように,白いテープの長さをもとにして,赤いテープと青いテープの長さを表しました。(1)赤いテープの長さを求める式を,下の1から4までの中から1つ選んで,その番号を書きましょう。180+0.2280-0.2380×1.2480÷1.2(2)青いテープの長さを求める式を,下の1から4までの中から1つ選んで,その番号を書きましょう。180+0.6280-0.6380×0.4480÷0.4」(1)の正答は3であり,正答率は72%です。誤りとして多いのは1であり,17%です。(2)の正答は3であり,正答率は54%です。誤答は4が28%,2が16%です。(1)はよくできているものの,「180+0.2」を選んだ児童が少なくないことに留意しなければなりません。この答えは,倍である1.2と1の差である0.2を80cmに足したものです。これは,倍の意味が十分理解されていないことを示しています。(2)の誤答のうち,「480÷0.4」は,青いテープが白いテープよりも短いので,わったのでしょう。「280-0.6」は,(1)の1と同じように,差を求めてひいたのでしょう。これも,倍の理解に問題があることを示しています。では,倍とは何でしょうか。「長さ」のような量とは,どこが違うのでしょうか。倍の指導は,2学年から始まります(平成27年度版『小学算数2年下』p.10)。12 2014 No.15