ブックタイトルRooT No.15
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RooT No.15
■「操作としての倍」から「対象としての倍」へ■「2つ分のことを2ばい,3つ分のことを3ばいといいます」というように,「いくつ分が倍です」としています。つまり,倍というのは「長さへの働きかけ」のように,量への「操作」として指導しています。ここで重要な指導のポイントは,教具や図に対する十分な操作活動をして,児童が,実際的に倍を理解することです。また,「いくつ分」といっても,倍では連続量への操作になっていることも注意が必要です。ゴムなどの教具を使って,連続的に伸ばす活動が考えられます。次に倍を学ぶのは,わり算に関連する,3学年です。次のような問題です(平成27年度版『小学算数3年上』p.32)。しかし,商で比較できるためには,2学年の「操作としての倍」が内面化していなければなりません。つまり,児童が頭の中で倍の操作をイメージできなければならないのです。ここが,倍指導の2つめのポイントです。3学年の問題では,児童が念頭の操作で,「長さの倍」をイメージできるように指導しなければなりません。それから,わり算で計算します。4学年では,4つのテープの長さを,倍で比べる問題になります(平成27年度版『小学算数4年下』p.103)。これらの違いはどこでしょうか。ここでは,量の比較として倍を考えていることです。長さの比較は,日常生活では普通,差で考えます。問題2の(1)で「180+0.2」や,(2)で「280-0.6」を選んだ児童は,そのように差で考えたのです。比較するとき,差ではなく,商の方が便利なのは,どんなときでしょう。多数のものを比較するときや,もとにする量やくらべる量が変わるときです。もちろんここでも,テープ図を使って,児童が念頭で倍の操作をイメージできることを確認しなければなりません。さらにここから,操作としての倍から,対象としての倍へと発展していきます。つまり,「比べる量÷もとにする量=倍」という式の形に着目します。これが,3つ目の指導ポイントです。そして,5学年の「倍を表す小数」を経て,「割合」の学習へとつながっています。問題Bで,プールの水の量が何倍かを問う問題2の正答率は83%と,よくできています。倍の計算はよくできているのです。3つの指導ポイントをふまえて,割合の計算から意味理解へとさらに前進しましょう。2014 No.1513