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概要

RooT No.15

■教師への4つのメッセージ■そこで,思考力・表現力について説明力?????????????????????との関わりで,とりわけ以下の2つのことをここでは押さえておきたいと思います。図1.思考力・表現力・説明力のある子どもたちの関係図1は,説明力のある子は思考力と表現力のある子の共通領域の真の部分に位置付くことを表しています。思考力・表現力が培われ,さらに説明力固有のものがプラスされて初めて説明力が発揮されることになるからです。それ故に,説明力は高レベルの力であり,子どもたちにとって説明することはやさしいことではありません。また,その3つの力を発揮したり,培ったりする場は線形的なものではなく,次のように相互作用的なものと考えられます。? ?? ?? ?図2.思考・表現・説明の相互作用性例えば,ある問題の解決方法を考えつきます。それを数学的に表現します。表現すると解決方法の不備に気づき,そこで,反省的に思考を進めます。こうしたことはよく行われることであり,思考と表現の相互作用性を示しています。そうしたことは,思考と説明,表現と説明の間でも生じます。3つの活動や力の関係はそのように捉えられます。しかし,算数・数学科における説明力はその基盤となる思考力・表現力が大きく関わるものであり,まずはそこに力を入れていくことが重要と考えます。3.演繹的推論とは何か算数・数学科において育成すべき重要な思考力は論理的思考力です。なかでも,演繹的推論による思考力,そして表現力,説明力の育成が課題です。これに関して,かねてから気になっていることがあります。それは演繹的推論についての説明であり,それに伴い演繹的推論がどのように理解されているかということです。例えば,以下の例1,2の推論において,横線の上のことを真として,それらから横線の下のことを導く推論は演繹的推論か否かについて考えてみて下さい。例1x=2ならばx2=4x=2x2=4例2犯人ならばアリバイがない。A氏にはアリバイがない。A氏は犯人だ。文科省の指導要領解説の算数編では,これについて次のように記されています。「演繹的に考えるとは,すでに正しいことが明らかになっている事柄を基にして別の新しい事柄が正しいことを説明していくことである。」(*1,p.159)また,中学校数学編の解説では次のように説明されています。「演繹は,前提となる命題から論理の規則に従って必然的な結論を導き出す推論である。」(*1,p.29)2014 No.151