ブックタイトルRooT No.17
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RooT No.17
■算数・数学科におけるアクティブ・ラーニング■中学校では必ずしも新しいものではありません。平成元年の新しい学力観へのシフト,平成10年の総合的な学習の時間の導入,さらには平成20年の算数的・数学的活動の更なる強調において,上記引用部のような考え方は常に強調されてきており,既にそうした考え方で教授・学習が進められてきているように思います。それでは,今回の初中等教育の学習指導要領改訂に関わる諮問文で,敢えてALが取り上げられたのは何故でしょうか。3.「育成すべき資質・能力」を踏まえた教育課程改訂に向けた考え方その疑問に対する1つの回答は,今回の学習指導要領改訂に際して強調される「育成すべき資質・能力」を踏まえた教育課程の構造化に関する議論,特に,平成27年1~8月に渡って開催された中教審初等中等教育分科会の教育課程企画特別部会(第7期)の審議内容から伺い知ることができます。平成27年8月26日付け「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」(教育課程企画特別部会,2015.8)の補足資料(1)のスライドのpp.26-27を見てみましょう。そこでは,教育課程全体や各教科等の学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から,「育成すべき資質・能力」として,次の3要素が整理・抽出されています。1「何を知っているか,何ができるか」(個別の知識・技能):各教科等に関する個別の知識や技能など。2「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」:主体的・協働的に問題を発見し解決していくために必要な思考力・判断力・表現力等。3「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(人間性や学びに向かう力等)」:1や2の力が働く方向性を決定付ける情意や態度等に関わるもの。さらに,こうした資質・能力を育成する上で「何を学ぶのか」という指導内容が検討され,その内容を「どのように学ぶのか」についての議論が進むという考え方が,「学習指導要領改訂の視点」の要約です。これは,目標・内容・方法を押さえた標準的な議論ですが,「どのように学ぶか」という学習(学び方の学習)の視点を,今までよりかなり強調している点は特徴的です。もちろん,我々はこれまでも,個々の指導場面や各教科において,子どもの「学び」をどう捉え,どのように望ましい学びを実現させるか,考えてきました(それ故,学習成果としては,指導内容の部分に目が行きがちであったように思われます)。ところが,次期学習指導要領では,「どのように学ぶか」について,カリキュラムレベルで考えて欲しいと謳っているように見えます。こうした考え方は,子どもの「学習」を超え,教師の「指導」に,より積極的に踏み込むような形で学習指導要領を位置づけようとする考え方に通じます。例えばそれは,この「補足資料(1)」のp.27に端的に示されており,「どのように学ぶか」2015 No.171