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概要

RooT No.17

小学校算数科におけるアクティブ・ラーニング-算数的活動や問題解決学習の実質化を!-福岡教育大学教授清水紀宏1はじめに平成26年11月20日の文部科学大臣による中央教育審議会への諮問を受け,初等中等教育分科会教育課程部会の下に教育課程企画特別部会が設置されました。そして,平成27年8月26日に「教育課程企画特別部会論点整理」(以下,「論点整理」と略記)が公表されました。この「論点整理」を踏まえ,各学校種や各教科等の議論がこれから進められていくこととなります。2.算数科の内容の見直し「論点整理」では,算数・数学科の内容の見直しについて,いくつかの提言を行っていますが,ここでは,次の記述を紹介しておきましょう(p.37)。○子供たちがこうした算数・数学の良さを認識し,学ぶ楽しさや意義等を実感できるよう,次期改訂に向けては,幼児期に育まれた数量・図形への関心・感覚等の基礎の上に,小・中・高等学校教育を通じて育成すべき資質・能力を,三つの柱に沿って明確化し,各学校段階を通じて,実社会との関わりを意識した算数的活動・数学的活動の充実等を図っていくことが求められる。ここでいう三つの柱とは,学校教育法第30条第2項が定める学校教育において重視すべき3要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」)を,学習する子どもの視点から整理したもので,「論点整理」では次のように提案されています(pp.10-11)。ⅰ)「何を知っているか,何ができるか(個別の知識・技能)」ⅱ)「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」ⅲ)「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(学びに向かう力,人間性等)」以上のことを含め「論点整理」を眺めると,これからの算数科教育では,次のようなことが求められると思われます。・算数の「よさ」を認識すること・算数を学ぶ楽しさや意義を実感すること・算数の個別の知識・技能を獲得すること・数学的な考え方・表現を駆使して,算数を活用すること・主体的に学習に取り組む態度や他者とよりよく関わることのできる人間性を育むことこれらの多くは,これまでの算数科教育で既に重視されてきたことといえます。ⅲ)については,やや新しい提言と感じられます。「論点整理」では次のように説4 2015 No.17