ブックタイトルRooT No.17
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RooT No.17
領において「児童が目的意識をもって主体的に取り組む算数にかかわりのある様々な活動」と説明されています。主体的という用語が込められているように,算数的活動を取り入れた学習は基本的にアクティブ・ラーニングのはずです。つまり,算数科におけるアクティブ・ラーニングの充実というとき,まずは,算数的活動が健全に行われているかを精査し,その実質化やさらなる充実を検討する必要があります。また,問題解決学習のさらなる充実も検討する必要があります。課題の発見・解決といえば,算数科の授業の十八番といえます。筆者が拝見する授業の多くは,問題解決を通して知識や考え方を身につけさせる「方法型」(石田・川嵜,1987)の問題解決型授業です。こうした授業を真に問題解決的にしていくことがさらに求められます。主体的な学びという観点からは,子どもたちが疑問をもつようなシチュエーションを提示し,解決したいという問題意識をもたせたいものです。また,時には骨のある問題に挑戦させ,問題解決能力を育成するような「特設型」(石田・川嵜,1987)の授業も取り入れたいものです。今後,資質・能力の育成という観点から,これまで算数科で育成を目指してきたことが整理されるでしょうが,例えば,「帰納的な考え方」は,科学一般で使用される思考ですから,汎用的なスキルに位置づけられることと思います。5年生上の「算数に親しもう」というコーナーでは,「算数ビリヤード」という教材を準備しています(p.136)。p.137において,縦の長さが3cm,横の長さが5cmの場合などの3つの例をやってみるよう促していますが,ここでは「通るマス目の数が縦の長さと横の長さの最小公倍数であること」を帰納的に考えさせることを意図しています。こうした「投げ込み教材」は,なかなか扱われていないのが現状かもしれませんが,主体的・探究的な学習が期待され,資質・能力の育成という点からも,算数のおもしろさを体験するという点からも一定の意義をもつものと考えます。また,帰納的に考えるときにはデータがたくさんあることが必要です。そうすると,個々人で取り組ませるだけでなく,ペアや小集団を形成し協同的に複数の事例を見出していくという学習展開も考えられます。【引用・参考文献】教育課程企画特別部会(2015.8).「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」.文部科学省.石田忠男,川嵜昭三編著(1987).『算数科問題解決指導の教材開発』.明治図書.6 2015 No.17