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概要

RooT No.18

■新たな統計の授業に向けて■果の振り返り新たな疑問や問い,推測などの発生」です。115mで見直してみましょう。原田選手10回船木選手14回となり,船木選手の方が「より遠くへ飛ぶ確率が高い」と評価できます。ここで,注意しなければいけないのは,発表するときには,必ず,判断した人たちが何を基準にしたかを先に定義してから,データの解釈について発表することです。数学において無定義に記号や言葉を利用することはなく,先に定義をします。それと同じ事です。3状況(文脈)を変えてみます。例えば,「100m飛べば団体で優勝です。あなたならどちらの選手を選びますか」となりますと,100m以上をより多く飛んでいる選手を選ぶこととなります。二人の100m以上のジャンプ回数は原田選手17回船木選手20回となり,船木選手を選ぶことになります。ここでは,示された数値が判断の基準となりますこれが,「135m以上飛ばないと優勝がありません」となりますと,原田選手の136m,137mが俄然輝いてきます。そうです。意思決定をするときには,平均値や中央値,散らばりだけでなく,最大値や最小値,更には示された値が判断の基準となるのです。このように,今ある教材に少しの文脈を加えることで,意思決定の問題を更に深めることができますし,「それでいいのでしょうか?」という問いが,多面的に吟味する考察を生み,新たな探究に繋がります。生徒たちの楽しそうな顔を大事にしながら,アクティブな授業が展開され,「統計に騙されない市民」に育ってくれることを期待しています。[参考文献・引用]国立政策教育研究所教育課程研究センター「全国学力・学習状況調査(中学校)の結果を踏まえた授業アイディア例」(2012,9)*1http://www.nier.go.jp/12chousakekkahoukoku/08idea/24_chuu_jugyou_idea_houkoku.pdf*2http://www.joc.or.jp/games/olympic/sochi/sports/jump/guide/2016 No.189