ブックタイトルRooT No.18
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RooT No.18
■学習指導要領の改定を見据えて■Analysis(データの分析),Conclusion(問題に対する結論)のことです。統計を教える際にはこの考えが背景にあることを意識します。それが統計教育の根幹となり,アクティブラーニングのヒントにもなります。このことは後半でさらに詳しく述べたいと思います。4.現学習指導要領の問題点現学習指導要領で理数科目が前学習指導要領より重視されました。その中でも算数・数学の内容にいわゆる「統計」が多く含まれました。ただし,統計という言葉は用いられず,小学校では「資料の整理と読み」,中学校では「資料の活用」,高等学校では「データの分析」というタイトルが付けられています。統計という言葉は難しいイメージなのかもしれませんが,その内容は統計そのものです。高等学校の必履修科目数学Ⅰの「データの分析」に含まれた統計の内容を学習した学生が大学に入学し2学年目になりました。大学の教師から,統計を学ぶことなく高等学校を卒業していたかつての学生とは異なり,データの扱いが上手になったということをしばしば聞きます。一方で,数学Bに含まれている「確率分布と統計的な推論」を受験科目としない大学がほとんどであるため,統計的推論の理解については未だ遅れている状況です。現学習指導要領で,初等中等教育における統計に関する学習内容は諸外国と同程度になりました。しかし,統計が他の教科と大きく関係し,統計の知識を利活用することによって,各教科の内容がより深く理解できることを考えると,他教科との連携と学年ごとの学習の流れを再確認する必要があります。4.1統計と他教科との連携「各教科の関係をより強く考えカリキュラムを作成する」ことが,はじめに述べた次期学習指導要領に関する論点に示されています。これ以外にも,文部科学省「教育の情報化に関する手引」の中の「第2章学習指導要領における教育の情報化」,後述の「日本学術会議の提言」にも同様の記載があります。「全国学力・学習状況調査」などの出題も参考にし,図1のように「統計と問題発見力・問題解決力」を趣旨とした「統計と他教科の関係」をキーワードの一つであるICTも含めて描いてみました。図1統計と問題発見力・問題解決力4.2統計の学年ごとの学習の流れ本原稿の執筆中に,日本学術会議数理科学委員会数学教育分科会の提言「初等中等教育における算数・数学教育の改善についての提言」が公表されました。本原稿の内容を理解いただくにはとてもよいタイミン2016 No.181