ブックタイトルRooT No.18
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RooT No.18
■新たな統計の授業に向けて■-問題発見・解決プロセス-・疑問や問いの発生問題の設定・問題の理解解決の計画・計画の実行結果の検討・解決過程や結果の振り返り新たな疑問や問い,推測などの発生これは,現行の指導要領の1年生の資料の活用領域の目標にあります。しかし「資料の収集→表やグラフに整理→代表値や資料の散らばりに着目してその資料の傾向を読み取る」で終わっていたのを,新たな疑問や他の考え方,見方で捉え直すことで,再度資料を収集し,もう一度,問題解決のプロセスを行うことを指摘している点が重要です。これは,解決の精度をあげることに繋がります。それと共に「疑問や問いの発生問題の設定,問題の理解解決の計画」の段階,すなわち,問題設定の段階が見直されます。この段階は,課題から解決できる範囲を特定し,または,変数の制御を行い解決できる問題に置き換える段階です。この段階からデータをどのようにとるか,データの何を観るかが決まってきて,次の意思決定につながります。2つ目は,「2つ以上の集団を比較し意思決定を行う」ということです。現行でも,判断力・表現力の重視ということで行われていることですが,比較をしてより判断を重視する内容になるということです。「とにかく比較すればよい」ではいけません。どのようなことが大事かを問題文から読み取り,基準を決めて比較することです。判断する基準として,平均値,中央値,最頻値,最大値,最小値,または範囲(散らばり)なのか,または他の基準なのかと考え,それを基にしてデータを処理し,解釈していくことが求められます。2は資質・能力と関連することです。・課題の設定はそれでよいのか・基のデータはどのようにとられたのか・どのように処理されたのか・整理されたグラフや表は妥当か・これらを基にした解釈は妥当かなどの考えです。これらが,問題発見・解決プロセス中や結論を出すとき,または,発表時に生徒から出るような授業が求められます。生徒から出ない場合は,教師側から「本当によいのでしょうか?」と問いかけるとよいでしょう。そして,次からは,そのような考えができ,表明できるような授業を構築してもらいたいです。3.具体的な教材として平成24年度全国学力・学習状況調査で出題された船木選手と原田選手の問題につ*1いて,同年に出された授業アイディア例をもとに考えてみましょう。授業アイディア例は調査問題とは少し違っていて,基のデータが示されていたり,問題文も若干違っていて,授業で使いやすく変えられています。そのため,今回はこちらを使います。次の1回でより遠くへ飛びそうな選手を選ぶとすると,あなたはどちらの選手を選びますか。どちらか一方の選手を選び,選んだ理由を説明しなさい。この問題の形式は,2人のデータを基にして判断(意思決定)するものです。どちらを選ぶかを数学的な根拠を持って示すこ2016 No.187