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概要

ROOT No.19

予想した事柄を数学的な表現を用いて説明する活動●兵庫教育大学講師川内充延1全国学力・学習状況調査の結果から見えてきた生徒の課題中学校数学の第2学年以上の学習指導では,数や図形に関する性質を考察する場面において,生徒自らが事柄を予想し,それを明確に表現することが求められています。予想した事柄は,前提に当たる部分(主部:~)と結論に当たる部分(述部:……)によって,「~は,……になる(である)。」という命題の形で述べることになります。平成25年度全国学力・学習状況調査の数学B2(2)では,2けたの自然数と,その数の十の位の数と一の位の数を入れかえた数の和について,予想した事柄を表現する問題が出題されています(本頁右段)。正答率は39.3%,無解答率は34.0%で,「発展的に考え,予想した事柄を説明することに課題がある」と報告されました。平成20年度調査の数学B2(3)では類題が出題されています。正答率は49.2%,無解答率36.1%で,平成25年度調査と同様の課題が指摘されています。2予想にはじまる数学的探究このような状況を踏まえ,日本文教出版の教科書『中学数学2』では,「文字を使った説明」においてP.27(次頁左段)のように,予想する段階を正答率39.3%無解答率34.0%中略Q見つけようや問いによって独立させ,丁寧に扱っています。また,予想した事柄を太文字にすることで,命題の形で明確に表現することを強調しています。学習の流れとしては,まず,Q見つけようの例から帰納的,類推的に考えて予想を立てます。ここでは,多くの場合を試す時間を十分に取りたいものです。生徒自らが事柄を予想するには,生徒自らが2けたの自然数を決めて,それを試すという行為が不可欠です。この行為が事柄の成り立▲平成25年度全国学力・学習状況調査中学校数学B問題2つ理由を知りたいとか,新たな事柄はないだろうかといった数学的探究へ生徒を誘います。そして,命題の形で明確に表現することは,新たな事柄を見いだす上での土台となります。事柄を予想した後は,見通しをもって(キャラクターの吹き出し10算数・数学情報誌ROOT vol.19