ブックタイトルROOT No.19
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ROOT No.19
マテマ!R解説編倍数判定法を利用した数あてパズル●天理大学教授上田喜彦9の倍数判定法このパズルでは,次のような9の倍数の判定法がうまく利用されています。【9の倍数の判定法】各位の数の和が9の倍数である整数は,9の倍数である。中学生であれば,次のように説明(証明)できるでしょう。万の位から順に位の数字をa,b,c,d,e,とおくと,5けたの整数は,10000a+1000b+100c+10d+eと表されます。10000a+1000b+100c+10d+e=(9999+1)a+(999+1)b+(99+1)c+(9+1)d+e=(9999a+999b+99c+9d)+(a+b+c+d+e)=9(1111a+111b+11c+d)+(a+b+c+d+e)このとき9(1111a+111b+11c+d)は,明らかに9の倍数となるので,a+b+c+d+eが9の倍数であれば,元の数も9の倍数であり,9の倍数でなければあまりがあることになります。小学生でも,教科書に載っているような図を使って次のように説明することが可能です。例えば,43389という数について考えてみましょう。ここでは,80を表すときには,縦に10個並べ,それを横に8列並べて右のように表すことにします。十の位810これと同じように43389を図に表すと,万の位千の位百の位十の位一の位43389101001000100009の倍数であるということは,43389が9でわり切れるということですが,「9でわる」ということは「9を順にとっていく」ことなので,縦の列から一番大きい千の位9の倍数をとっていき3←横一列分の3が残るます。例えば,千の位ならばそれぞれの列で1000 999←1000から取れる「1000 ? 999」をして,最大の9の倍数横一列分の3個が残ります。それぞれの位で同じようにすると10000万の位千の位百の位十の位一の位433891000999999910010 9となります。このとき,残った数(色を塗った部分)の和,すなわち,4+3+3+8+9が、9の倍数になっていれば,もとの数も9の倍数になることがわかります。43389の場合は,各位の数字の和が27となりますから9の倍数です。9の倍数の判定法自体は日常生活で役立つ場面がそう多いわけではありませんが,どうしてそうなるかを考えることは,知的好奇心を満足させて,深い学びにつながるよい題材ではないかと考えています。このパズルを入口として,授業で「9の倍数の判定法」について考えてみるのはいかがでしょうか。ところで,パズルのなかで,「Cは,どうして必ず9の倍数になるか」ということです…が,今回はちょっと紙幅に余裕がなさそうです。9912算数・数学情報誌ROOT vol.19