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概要

ROOT No.19

H e l l o,Mathematics!数学で解決できる!東京大学先端科学技術研究センター教授にしなり西成世の中の問題はかつひろ活裕渋じゅう滞たいを数学で解決?!「数学なんて何の役に立つの?」じゅうたいそんな質問に「渋滞を解消できる」という答えが返ってきたら,どう思いますか?せんたん東京大学先端科学技術研究センター教授の西成活裕先生は数学をもとにした「渋滞学」など,ユニークな研究を数多く発表しています。数学を社会に生かすコツをうかがってみました。かんとく北野武監督はと因数分解で映画を撮っている!?――「数学はニガテ!」そんな場合,どうすれば興味を持てるんですか?興味があるものと結びつけるといいですね。中学校で講演するとき,生徒たちに「ゲームがきらたず嫌いな人はいますか」と尋ねます。すると,数学は嫌いだけどゲームは好きだよなと言いはじめます。そこで「ゲームにも数学が使われているんだよ」と,ゲームをもとに数学的要素を交えて話すのです。何でもかまわないのです。まったく何にも興味がない,なんてことはないでしょう?一つでも好きなもの,興味があるものを探しあてて,その先に教科を結びつけてみてください。好きなことがどんな勉強とつながっているのかを調べたり,先生に聞いてみたりすると,好きなことにも,勉強にも,もっと興味が深まるでしょう。さつえい「映画の撮影に因数分解を応用していおどろかんとくる」なんて聞くと驚きませんか。北野武監督から聞いた話なのですが,いろんなシーンをそれとぞれ撮るには時間がかかります。そこで,共通するカットを洗いだす。たとえば,ドアを開けて入ってくるという共通のカットがあれば,そこを先に全部撮って,残りはそれをぬいて撮る。これは因数分解と同じ仕組みですよね。撮影時間はぐっと短縮されて,効率化につながります。「たけしさんが因数分解の考え方で映画を撮っているんだよ」と聞くと,映画のこと,因数分解のこと,どちらの興味の持ち方もまったく変わってくるでしょう。2算数・数学情報誌ROOT vol.19