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概要

ROOT No.21

アーティスト野とこ老ろ 朝あさ雄お数学とデザインをつなぐ数学の中にある美しいものを生み出す不思議な決まり=『律』、律を使って個をつなぎ群へ。H e l l o ,Mathematics!れたり,解析をして数式がたくさん出てきたりすると,そういう世界に関われていることを感じられて嬉しく思いますね。――作品や仕事のことについて聞かせてください。 《KumaponG(クマポン)》(2011年)は,円のテッセレーションを勉強しているときに生まれた作品です。曼まん荼だ羅らみたいなものができたときに,色をつけてみたら,ビックリ! クマさんが出てきたんです。円の直径の比が黄金比になっています。あと,円を45度傾けるのが自分にとって画期的だったような気もします。名前にあまり意味はないのですが,あえて言うと「ポーンと出てきたクマ」なんです(笑)。Golden Ratio(黄金比)のG をつけて《KumaponG》です。 工学院大学125周年記念八王子キャンパスの総合教育棟ファサード(=建物の正面部分のデザイン)パターン(2012年)は,有孔折板という工法でつくられた外装の設計です。でも単に孔を空けるのではなく,複数の大きさの孔を黄金比の関係目に入った瞬間に数学的な印象を受ける紋様を描くアーティストの野老朝雄さんから,紋様を生み出す力となる考え方や普段感じていることなど,お話を伺ってきました。――野老さんが生み出す紋様は,数学的な法則を    感じる作品が多いですが,数学にはどのよう  なイメージを持っていますか? 自分で手を動かして作品を作っていく中で,数理的な美しさがあることに気付いたのは30 歳を超してからかな。僕は算数までは好きでしたが,数学になると距離を置いていました。数学に対してアレルギーがある方の,シャッターを下ろしちゃう感じはすごくわかるんです。自分がそうだったから。ただ,僕の作品を見て,数学が得意な方が興味を持ってく数学は苦手でした。タイムレスなものをつくりたいです。▲《KumaponG》誕生の瞬間2   算数・数学情報誌 ROOT No.21