ブックタイトルROOT No.21
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ROOT No.21
で並べています。エンジニアを育てる学校なので,このキャンパスに通った人がいつか気付いてくれたらいいなと思います。設計上だけではわからなかったのが,光を通して出てくる影の美しさです。 毎回新しい素材との出会いなので,できあがるまでは本当に怖いです。素材によって表現も変わります。また,時代によっても,そのときにできる技術によっても表現は変わります。でもタイムレスなもの,長く先まで保つものをつくりたいという考え方は,建築を学ぶ中で身に付いたものだと思います。――仕事を進めるときや,作品をつくるときの考 え方や進め方はどのようにされていますか? デザインの仕事もしていますが,できればクライアントの要望を叶えるだけではなく,これが美しいんだと自信を持って言えるものをつくりたいと思っています。でも,僕はもともと建築を学んでいたこともあり,予算や敷地,法律など条件や制限が与えられた中で答えを導いていきます。 2016 年に「個と群」というタイトルで,一年間かけて青森県にある国際芸術センター青森で展覧会を行いました。この展覧会は,アーティストの監修で青森市所蔵の民俗資料を紹介するもので,建物から与えられた条件で空間を作り出していったり,さまざまな紋様の収蔵品を選んだり,僕自身も紋様をつくったりしました。この展覧会で「僕がやっているのは,“ 個”と“ 群”と,その間の“ 律”ということなんだな」と気が付いたんです。ドットというなんの個性もない「個」がつながることで「群」になる。つなげるときのルール「律」を決めることが僕の仕事で,その「つなげるときのルール『律』」が数学でした。律は数学に限るものではありませんが。▲工学院大学八王子キャンパス総合教育棟(設計:千葉学建築計画事務所)条件や制限がある中から生まれる作品――作品づくりは手描きから始まるのですか? そうですね。箸袋から何から,その辺にある紙に描いていきます。すぐになくしてしまうので,ノートに描くことはあきらめました(笑)。全部失ってしまっても,できあがった作品として残れたらいいなと思いますし。つながり方にもいろいろありますが,つながっていることが大事なんだと思います。算数・数学情報誌 ROOT No.21 3